気管支喘息による入院患者への定量噴霧式吸入剤 (MDI) の吸入指導効果の臨床評価

「緒言」薬剤師による入院患者への薬剤管理指導業務(服薬指導)は患者の服薬コンプライアンスの向上, 副作用の早期発見, 患者の薬剤使用上の問題点の発見などの有用性が報告されている1, 2). 当院においても糖尿病, 慢性関節リュウマチ, インターフェロン自己注射患者, 麻薬服用患者など, 特に患者教育が重要と考えられる患者を対象に実施し, 効果を上げている3-5). 指導内容についてはいくつかの指導書や報告があるが, 薬剤管理指導業務自体の歴史が浅く, 指導効果の有無を確認しないと内容的に不十分なまま進める危険性がある. 気管支喘息は気道の慢性炎症性疾患としてとらえられており, 喘息死の予防,...

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Published in病院薬学 Vol. 24; no. 1; pp. 63 - 70
Main Authors 小嶋, 文良, 中村, 秀範, 東海林, 徹, 友池, 仁暢, 仲川, 義人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 1998
日本病院薬学会
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Summary:「緒言」薬剤師による入院患者への薬剤管理指導業務(服薬指導)は患者の服薬コンプライアンスの向上, 副作用の早期発見, 患者の薬剤使用上の問題点の発見などの有用性が報告されている1, 2). 当院においても糖尿病, 慢性関節リュウマチ, インターフェロン自己注射患者, 麻薬服用患者など, 特に患者教育が重要と考えられる患者を対象に実施し, 効果を上げている3-5). 指導内容についてはいくつかの指導書や報告があるが, 薬剤管理指導業務自体の歴史が浅く, 指導効果の有無を確認しないと内容的に不十分なまま進める危険性がある. 気管支喘息は気道の慢性炎症性疾患としてとらえられており, 喘息死の予防, 患者の日常生活におけるQOLの向上を目的とした服薬指導などの患者教育の重要性が指摘されている6-8). 当院でも平成6年より気管支喘息患者に対して服薬指導を開始しており3年が経過しようとしている. しかし, 当院においては院外処方箋を発行していることや, 他院の紹介患者が多いこともあり, 入院中に指導した患者の退院後のフォローは十分とは言えない部分がある. 本報告では退院後引き続き当院に通院しており, 1年以上経過した患者について, 指導(入院)前後と最近の通院歴, 治療点数, 救急外来受診状況, さらに入院歴等について調査し, 喘息患者への服薬指導の有用性について検討した.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.24.63