岡山大学附属病院における抗てんかん薬血中濃度モニタリング (TDM) の推移 (過去14年間)

「緒言」1981年6月, てんかん患者における抗てんかん薬の血中濃度を測定後, その測定結果をもとに患者の血中濃度管理(TDM)を行い, てんかん治療に反映させると診療報酬が算定されるようになった. 当院薬剤部では1979年6月よりTDMの試行運用を開始し, 1981年7月より, 薬剤業務の一つとして抗てんかん薬のTDMを本格的に始め, 以来本年で15年目になる. この間, てんかん患者に対する薬物治療法は治療薬剤の多様化, 多剤併用における薬剤数の変化, それらの投与用量や血中濃度値の臨床的評価等を考慮するようになり, 年々変化してきているように思われる. 特に, TDMに対する評価は患者の...

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Published in病院薬学 Vol. 22; no. 6; pp. 591 - 599
Main Authors 山下, 章一, 森山, 雅弘, 古野, 勝志, 川崎, 博己, 五味田, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 10.12.1996
日本病院薬学会
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Summary:「緒言」1981年6月, てんかん患者における抗てんかん薬の血中濃度を測定後, その測定結果をもとに患者の血中濃度管理(TDM)を行い, てんかん治療に反映させると診療報酬が算定されるようになった. 当院薬剤部では1979年6月よりTDMの試行運用を開始し, 1981年7月より, 薬剤業務の一つとして抗てんかん薬のTDMを本格的に始め, 以来本年で15年目になる. この間, てんかん患者に対する薬物治療法は治療薬剤の多様化, 多剤併用における薬剤数の変化, それらの投与用量や血中濃度値の臨床的評価等を考慮するようになり, 年々変化してきているように思われる. 特に, TDMに対する評価は患者のQOL向上に対する社会的要請に合致して, 飛躍的に高まってきている. しかし, TDMの経年的推移について長期間にわたって検討した報告は少ない1). そこで, 当院でこの14年間における抗てんかん薬測定依頼書を基に併用薬剤数および薬剤別処方頻度を中心にTDMの推移を調査し, てんかん患者の薬物治療におけるTDMの役割について検討した.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.22.591