小児急性白血病における頭蓋照射の副作用 (I) Somnolence syndromeについて

頭蓋照射の副作用であるsomnolence syndromeについて検討した.急性白血病53例に頭蓋照射をおこない9例 (17%) にsomnolence syndromeがおこった.somnolence syndrome時の脳波は, 徐波がみられた.CT検査では, 頭蓋照射前に脳室拡大, 脳構拡大がみられるも, 照射後は回復していた.現在9例中6例が生存している.学習障害はみとめられていない.1例CT像上石灰化がみられている.somnoleucesyndromeは一過性のミエリン合成障害で後遺症を残さないといわれているが, 多数の症例で長期間の観察が必要である....

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 3; no. 1; pp. 15 - 19
Main Authors 小泉, 義子, 辻野, 儀一, 村上, 真子, 小西, 省三郎, 中川, 喜美子, 迫, 正廣, 藤波, 彰, 田窪, 良行, 波多, 信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.03.1989
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.3.15

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Summary:頭蓋照射の副作用であるsomnolence syndromeについて検討した.急性白血病53例に頭蓋照射をおこない9例 (17%) にsomnolence syndromeがおこった.somnolence syndrome時の脳波は, 徐波がみられた.CT検査では, 頭蓋照射前に脳室拡大, 脳構拡大がみられるも, 照射後は回復していた.現在9例中6例が生存している.学習障害はみとめられていない.1例CT像上石灰化がみられている.somnoleucesyndromeは一過性のミエリン合成障害で後遺症を残さないといわれているが, 多数の症例で長期間の観察が必要である.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.3.15