頸部に発生した小児神経節芽腫(ganglioneuroblastoma)の1例

頸部に発生した小児神経節芽腫の1例を経験したので報告した。症例は1歳9ヶ月男児。左顔面発汗障害および左頸部腫瘤を主訴に当科を紹介受診した。初診時,左上頸部腫瘤と同側のHörner症候群を認め,MRIでは左頸部に最大径4cmの腫瘍を認めた。生検では神経節腫との結果であり,後日摘出術を施行した。術中に腫瘍が交感神経幹から発生していることを確認した。病理検査結果では神経節腫部分の内側に神経芽腫の成分を認め,神経節芽腫と診断した。神経節芽腫は交感神経系腫瘍であり,後縦隔に発生しやすい腫瘍とされる。頸部原発は比較的まれであるが,小児の頸部腫瘤を見たときには鑑別疾患の一つとして考慮する必要があると考える。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 19; no. 2; pp. 119 - 124
Main Authors 鈴木, 健介, 井上, 俊哉, 小椋, 学, 岩井, 大, 友田, 幸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 30.06.2009
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.19.119

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Summary:頸部に発生した小児神経節芽腫の1例を経験したので報告した。症例は1歳9ヶ月男児。左顔面発汗障害および左頸部腫瘤を主訴に当科を紹介受診した。初診時,左上頸部腫瘤と同側のHörner症候群を認め,MRIでは左頸部に最大径4cmの腫瘍を認めた。生検では神経節腫との結果であり,後日摘出術を施行した。術中に腫瘍が交感神経幹から発生していることを確認した。病理検査結果では神経節腫部分の内側に神経芽腫の成分を認め,神経節芽腫と診断した。神経節芽腫は交感神経系腫瘍であり,後縦隔に発生しやすい腫瘍とされる。頸部原発は比較的まれであるが,小児の頸部腫瘤を見たときには鑑別疾患の一つとして考慮する必要があると考える。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.19.119