7 一層建築物に於ける桁材及び床版変形の横力分布に及ぼす影響 : 一方開放型非対称構造物(第1報・桁行壁体を有せぬ場合)

既論において、有壁無壁のラーメンより構成されたる構造的に対称な一層建築物に、地震力の如き水平荷重が作用する時、有壁ラーメン(壁体)間の床版は水平方向に曲げ及び剪断変形をなす結果、梁行方向(震力方向)の垂直架構間の横力分布は如何になるか、また、桁行方向(震力と直角方向)のラーメンには如何なる剪力が生じ且つ柱及び梁行壁体には如何程の捩りモーメントが生ずるか、更に、これら桁行方向ラーメン等の抵抗により床版の変形が如何に拘束されるか等につき理論的に検討し、具体例よりそれ等の大きさを量的に把握し構造設計上の指針を求めた。本文は、既論と同様に床版変形を取扱うに当り、床版の曲げ及び剪断変形を考慮することは勿...

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Published in日本建築学会論文報告集 Vol. 62; pp. 40 - 46
Main Author 山田, 孝一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本建築学会 20.07.1959
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Summary:既論において、有壁無壁のラーメンより構成されたる構造的に対称な一層建築物に、地震力の如き水平荷重が作用する時、有壁ラーメン(壁体)間の床版は水平方向に曲げ及び剪断変形をなす結果、梁行方向(震力方向)の垂直架構間の横力分布は如何になるか、また、桁行方向(震力と直角方向)のラーメンには如何なる剪力が生じ且つ柱及び梁行壁体には如何程の捩りモーメントが生ずるか、更に、これら桁行方向ラーメン等の抵抗により床版の変形が如何に拘束されるか等につき理論的に検討し、具体例よりそれ等の大きさを量的に把握し構造設計上の指針を求めた。本文は、既論と同様に床版変形を取扱うに当り、床版の曲げ及び剪断変形を考慮することは勿論桁行ラーメンの抵抗も考慮して、一層非対称構造物とくに桁行方向に壁体を有せぬ一方開放型建築物(商店建築物に用いられ、一端のみに耐震壁を有し他端に耐震壁を有せぬもの)について、前記と同様な事柄を理論的に取扱ったものである。たゞ非対称構造物なるが故に、建物に作用する震力の重心と建物の剛心が一致せぬため、建築物には偏心による捩れが起り、その結果、床版にはそれ自身の変形のみならず回転も生じ、建築物の各部に生ずる応力分布は構造的に対称なものとは異なり甚だ複雑なものとなることが推測される。
ISSN:0387-1185
2433-0027
DOI:10.3130/aijsaxx.62.0_40