車椅子のキャスター上げ動作における,介護者の負担が軽くなるティッピングレバー位置の検討 健常若年女性を対象に主観的アンケート調査を実施した予備的研究

【目的】高齢化社会における老老介護の増加に伴い,介護者への負担が小さくなる車椅子操作の実現が求められる。本研究では,ティッピングレバーの長さと高さの位置を調整することで,健常若年成人のキャスター上げ動作における身体への負担度の変化を明らかにすることを目的とした。【方法】作製したティッピングレバー位置の可変装置を用い,健常若年女性が車椅子のキャスターを10 cm 上げた時の負担度をアンケートで調査し,統計学的に検討した。【結果】作製したティッピングレバー位置の可変装置は,床との干渉なく,規定の高さまでキャスター上げができることを確認した。また,ティッピングレバー位置の調整において,その位置を低く...

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Published in理学療法 - 臨床・研究・教育 p. 2026-04
Main Authors 井上, 剛伸, 酒井, 美園, 戸島, 美智生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 埼玉県理学療法士会 2026
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ISSN1880-893X
1880-8948
DOI10.11350/ptcse.2026-04

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Summary:【目的】高齢化社会における老老介護の増加に伴い,介護者への負担が小さくなる車椅子操作の実現が求められる。本研究では,ティッピングレバーの長さと高さの位置を調整することで,健常若年成人のキャスター上げ動作における身体への負担度の変化を明らかにすることを目的とした。【方法】作製したティッピングレバー位置の可変装置を用い,健常若年女性が車椅子のキャスターを10 cm 上げた時の負担度をアンケートで調査し,統計学的に検討した。【結果】作製したティッピングレバー位置の可変装置は,床との干渉なく,規定の高さまでキャスター上げができることを確認した。また,ティッピングレバー位置の調整において,その位置を低くすることより後方へ長くすることで,主観的負担度が有意に減少した。【結論】ティッピングレバー位置の違いで介護者への主観的負担度を減らすことができ,力の弱い高齢介護者に適応できる可能性が示唆された。
ISSN:1880-893X
1880-8948
DOI:10.11350/ptcse.2026-04