アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた正常副甲状腺の術中光線力学的同定

甲状腺腫瘍などの手術において正常副甲状腺を同定し確実に温存することは,術後の血中カルシウム維持のために重要である。これまで,病的副甲状腺の染色方法の報告はあるものの,正常副甲状腺の術中同定法の報告は少ない。今回,アミノレブリン酸(5-ALA)を用い,正常副甲状腺の術中光線力学的同定を行った。甲状腺良性腫瘍患者9例において,副甲状腺を露出する約5時間前に5-ALA 20mg/kgを経口投与した。甲状腺裏面露出後,周囲組織を波長405nmの青紫色光で励起させ,赤色発光し副甲状腺と考えられる組織を一部生検し病理組織検査を行った。全例が赤色蛍光発光し容易に確認でき,病理組織学的にも正常副甲状腺と確認さ...

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Published in頭頸部外科 Vol. 20; no. 3; pp. 291 - 295
Main Authors 守, 由美子, 内田, 亮介, 鈴木, 猛司, 沼田, 勉, 渋谷, 真理子, 清水, 惠也, 飯田, 由美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 28.02.2011
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.20.291

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Summary:甲状腺腫瘍などの手術において正常副甲状腺を同定し確実に温存することは,術後の血中カルシウム維持のために重要である。これまで,病的副甲状腺の染色方法の報告はあるものの,正常副甲状腺の術中同定法の報告は少ない。今回,アミノレブリン酸(5-ALA)を用い,正常副甲状腺の術中光線力学的同定を行った。甲状腺良性腫瘍患者9例において,副甲状腺を露出する約5時間前に5-ALA 20mg/kgを経口投与した。甲状腺裏面露出後,周囲組織を波長405nmの青紫色光で励起させ,赤色発光し副甲状腺と考えられる組織を一部生検し病理組織検査を行った。全例が赤色蛍光発光し容易に確認でき,病理組織学的にも正常副甲状腺と確認された。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.20.291