硫酸ペプレオマイシン (NK631) の毒性研究I マウス, ラットおよび犬における急性毒性試験
硫酸ペプレオマイシン (以下NK631と略す) は, ブレオマイシン (以下BLMと略す) の誘導体で, ブレオマイシン酸のカルボン酸とN-(3-アミノプロピル)-α-フェネチルアミンの1級アミノ基を脱水縮合した下記の構造をもつ硫酸塩である (Fig.1) 。 NK631は, 約300種のBLMの誘導体の中から制癌活性, 臓器分布性, 肺毒性等の諸点から選択された新らしいBLMのlっであり1, 2), BLMに比較して, マウス・エールリッヒ癌 (固型癌), ラット化学発癌・扁平上皮癌・胃癌等に対する制癌力, HeLaS3細胞に対する阻止率等において勝り, また, BLMの臨床使用上の制限因子...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 31; no. 12; pp. 719 - 737 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
25.12.1978
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Summary: | 硫酸ペプレオマイシン (以下NK631と略す) は, ブレオマイシン (以下BLMと略す) の誘導体で, ブレオマイシン酸のカルボン酸とN-(3-アミノプロピル)-α-フェネチルアミンの1級アミノ基を脱水縮合した下記の構造をもつ硫酸塩である (Fig.1) 。 NK631は, 約300種のBLMの誘導体の中から制癌活性, 臓器分布性, 肺毒性等の諸点から選択された新らしいBLMのlっであり1, 2), BLMに比較して, マウス・エールリッヒ癌 (固型癌), ラット化学発癌・扁平上皮癌・胃癌等に対する制癌力, HeLaS3細胞に対する阻止率等において勝り, また, BLMの臨床使用上の制限因子となつている肺毒性が低く (肺線維化の程度は, マウスの実験系でBLMの1/4), 皮膚, 肺, 胃, 腫瘍等の諸臓器内濃度分布が高いこと等から, その臨床応用にさいして, 有用性が期待される物質である。 著者らは, NK631について, マウス, ラットおよび犬における急性毒性を検討したので, 報告する。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.31.719 |