在宅療養者における皮膚疾患実態調査日本臨床皮膚科医会・日本看護協会との共同事業 (在宅療養者の皮膚疾患罹患状況と対応の現状)
日本臨床皮膚科医会在宅医療委員会では、日本看護協会との共同事業として平成17年7月~11月にかけて、日本看護協会立訪問看護ステーション13施設にて、何らかの基礎疾患を有して訪問看護サービスを受けている566名の在宅療養者を対象として皮膚疾患の罹患頻度と対応の現状、ならびに現場にて生じている数々の問題点を調査・検討した。この調査の結果、70.5%という高率で在宅療養者に何らかの皮膚疾患が認められることがわかった。疾患別頻度では、皮膚真菌症・湿疹皮膚炎群が多く、褥瘡、疥癬の頻度は低かった。足に関連する訴えが比較的多く (爪のトラブルやタコ・ウオノメ) 注目された。これら皮膚疾患の約72%は、なんら...
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Published in | 日本臨床皮膚科医会雑誌 Vol. 24; no. 3; pp. 245 - 252 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床皮膚科医会
15.04.2007
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Subjects | |
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Summary: | 日本臨床皮膚科医会在宅医療委員会では、日本看護協会との共同事業として平成17年7月~11月にかけて、日本看護協会立訪問看護ステーション13施設にて、何らかの基礎疾患を有して訪問看護サービスを受けている566名の在宅療養者を対象として皮膚疾患の罹患頻度と対応の現状、ならびに現場にて生じている数々の問題点を調査・検討した。この調査の結果、70.5%という高率で在宅療養者に何らかの皮膚疾患が認められることがわかった。疾患別頻度では、皮膚真菌症・湿疹皮膚炎群が多く、褥瘡、疥癬の頻度は低かった。足に関連する訴えが比較的多く (爪のトラブルやタコ・ウオノメ) 注目された。これら皮膚疾患の約72%は、なんらかの皮膚科的治療を受けていたが、皮膚科専門による治療は30%にすぎなかった。この調査によって得られた、在宅療養者の皮膚疾患頻度は、以前同委員会にて調査した高齢者医療施設入所者における皮膚疾患頻度とほぼ同様であり、これは、在宅・施設にかかわらず70%以上にのぼる多くの方々が皮膚科専門医療を切望しているという現実であり、これに答えるべく、われわれ皮膚科医もさらに積極的に皮膚科在宅医療を取り組むべき必要性が示唆された。(オンラインのみ掲載) |
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ISSN: | 1349-7758 1882-272X |
DOI: | 10.3812/jocd.24.245 |