きわめて短かい撮影時間によるX線CT画像 3.肺腫瘍

超高速CT(UF-CT)でも, 単純胸部X線像に比較すると解像力の点では非常に低い. 単純X線像の改良すべき点とすると, 小焦点で大電流による短時間撮影を行い, X線のスペクトルが単一であれば, 撮影条件とすると最高である. これにX線フイルム, 増感紙が高感度で, より細密化が加わるなら理想的である. しかしこれには, 現在の装置は使用できず, 筑波大学の高エネルギー研究所の放射光が必要である. 少くとも現在のX線管による撮影が当分の間は日常的には使用されると思われる. 現在でもX線写真の解像度は素晴しいのに, 何故X線CTが必要であるかと考えると, コントラスト分解能が, 単純X線像より高...

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Published in医療 Vol. 48; no. 3; pp. 245 - 252
Main Authors 花田, 清彦, 岡部, 英男, 荒瀬, 佳子, 藤井, 恭一, 椎名, 丈城, 可部, 順三郎, 野田, 栄次郎, 桜木, 博章, 木村, 真二郎, 工藤, 宏一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.03.1994
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.48.245

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Summary:超高速CT(UF-CT)でも, 単純胸部X線像に比較すると解像力の点では非常に低い. 単純X線像の改良すべき点とすると, 小焦点で大電流による短時間撮影を行い, X線のスペクトルが単一であれば, 撮影条件とすると最高である. これにX線フイルム, 増感紙が高感度で, より細密化が加わるなら理想的である. しかしこれには, 現在の装置は使用できず, 筑波大学の高エネルギー研究所の放射光が必要である. 少くとも現在のX線管による撮影が当分の間は日常的には使用されると思われる. 現在でもX線写真の解像度は素晴しいのに, 何故X線CTが必要であるかと考えると, コントラスト分解能が, 単純X線像より高いために, 理論的に考えるとみえている筈なのにみえず, 又, これらの画像が, 透過した胸部全体の重積像であるためでもある. このため, 断層撮影が工夫されgこの断層撮影の理想像の一つが, X線CTと理解したい3). 「撮影方法」 今回は, 肺腫瘍のUF-CT画嫁が, この断層写真として, 如何にうまく機能しているかを供覧したい. 画像, 画素からの最単位は, 0.68mm2×6mm≒2.8mm3であるが, 実用上認識可能な面積は, 5画素であり, 3.4mm2ということになる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.48.245