当院における急性心筋梗塞クリニカルパスの検討 バリアンス関連因子の分析

【目的】 当院では急性心筋梗塞(以下AMI)後の心臓リハビリテーション(以下心リハ)はクリニカルパス(以下CP)を活用しているが、CPバリアンスにおいては多枝病変及び低心機能障害が27%を占めており主な因子となっている。今回、AMI後のCPバリアンス群移行への決定要因について心機能障害より調査を行い検討した。 【方法】 2009年1月から2010年1月までAMICPで心リハを実施した79例を対象とした。これらをCP成功群50例とCPバリアンス群29例の2群に分類し比較検討した。検討項目は対象者年齢、発症から心リハ開始までの日数、駆出率(EF%)、CPK、Forrester分類、狭窄部位について...

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Published in九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 p. 317
Main Authors 田中, 仁史, 上川, 毅康, 鈴木, 大介, 山口, 浩士, 厚地, 良彦, 大重, 匡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州理学療法士・作業療法士合同学会 2010
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Summary:【目的】 当院では急性心筋梗塞(以下AMI)後の心臓リハビリテーション(以下心リハ)はクリニカルパス(以下CP)を活用しているが、CPバリアンスにおいては多枝病変及び低心機能障害が27%を占めており主な因子となっている。今回、AMI後のCPバリアンス群移行への決定要因について心機能障害より調査を行い検討した。 【方法】 2009年1月から2010年1月までAMICPで心リハを実施した79例を対象とした。これらをCP成功群50例とCPバリアンス群29例の2群に分類し比較検討した。検討項目は対象者年齢、発症から心リハ開始までの日数、駆出率(EF%)、CPK、Forrester分類、狭窄部位について調査した。 【結果】 心リハ開始までの日数ではCP成功群2.9±1.9日、CPバリアンス群6.3±3.9日であり、CPバリアンス群において有意に延長していた。(P<0.05)CPKとForrester分類の複合比較で検討したところCP成功群はCPK2000IU/l以上でForrester分類_I_、_III_が多く、CPバリアンス群ではForrester分類_II_、_IV_の低心機能が多い傾向であった。またCPKと年齢の複合比較にてCP成功群ではCPK2000IU/l以上にて平均年齢56.8±15.6、CPバリアンス群は64.4±14.4歳であり、両群間で有意差は認めなかったが、バリアンス群で高い傾向にあった。またEFにおいても有意差は認めなかった。 【結語】 当院の現行CPにおいて心リハ開始までの日数が延長傾向にある症例ではバリアンス移行率が高くなると考えられる。またCPK2000IU/l且つ、Forrester分類_II_、_IV_の症例及び、年齢64.4±14.4歳以上ではCPバリアンス移行率が高い傾向にある。今回の調査結果はAMICPへ大きく影響する結果となり、心リハ介入においてバリアンス移行を示唆すると考える。
Bibliography:384
ISSN:0915-2032
2423-8899
DOI:10.11496/kyushuptot.2010.0.317.0