14C標識硫酸イセパマイシン (14C-Isepamicin, 14C-HAPA-B) の体内動態に関する研究 I. ラット単回投与時の吸収, 分布, 代謝及び排泄の検討

14C標識硫酸イセパマイシン (14C-Isepamicin, 14C-HAPA-B) をラットに筋肉内及び静脈内投与した場合の吸収, 分布, 代謝及び排泄に関する検討を行つた。 1. 14C-HAPA-Bを25mg/kg投与した揚合, 血漿中濃度は筋肉内投与では投与後10分で約75μg/ml, 静脈内投与では投与後5分で約116μg/mlであり, 筋肉内投与時の吸収は速やかであつた。又, 両経路とも消失は速やかであつた。 2.組織内分布は両経路とも, 眼球及び中枢神経系を除き, 投与後速やかにほぼ全身にわたり, 特に, 腎及び軟骨部に高濃度に分布した。腎には長時間滞留したが, 軟骨部では以後...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 40; no. 1; pp. 239 - 252
Main Authors 岩崎, 正和, 芹澤, 和憲, 鈴木, 忠清, 森下, 真孝, 高橋, 智雄, 村西, 昌三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.01.1987
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Summary:14C標識硫酸イセパマイシン (14C-Isepamicin, 14C-HAPA-B) をラットに筋肉内及び静脈内投与した場合の吸収, 分布, 代謝及び排泄に関する検討を行つた。 1. 14C-HAPA-Bを25mg/kg投与した揚合, 血漿中濃度は筋肉内投与では投与後10分で約75μg/ml, 静脈内投与では投与後5分で約116μg/mlであり, 筋肉内投与時の吸収は速やかであつた。又, 両経路とも消失は速やかであつた。 2.組織内分布は両経路とも, 眼球及び中枢神経系を除き, 投与後速やかにほぼ全身にわたり, 特に, 腎及び軟骨部に高濃度に分布した。腎には長時間滞留したが, 軟骨部では以後急速に消失した。腎及び軟骨部に次いで肺で高濃度であつた。又, 投与後4時間以降の腎における分布では, 腎皮質に偏在が認められた。 3.主たる排泄経路は腎からであり, 6時間までに投与量の約90%, 24時間までに95%以上が排泄された。胆汁中排泄率は24時間までに0.1~0.2%と極めて少なく, 糞中回収率も1~3%程度とわずかであつた。 4.代謝物の検索を筋注時の尿を用いて行つたが, TLCオートラジオグラムにおいて, 未変化体の単一スポットが認められただけであつた。 5. 血漿蛋白結合率はin vivo, in vitro共に10%以下, in vitro血球結合率は9%以下であつた
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.40.239