塩素化2-ヒドロキシジフェニルエーテル類の環境衛生化学的考察 加熱により生成する塩素化ダイオキシンの異性体分析
2, 4, 4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル (イルガサンDP300) (I) とその塩素化誘導体である2', 3, 4, 4'-テトラクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル (II) , 2', 4, 4', 5-テトラクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル (III) および2', 3, 4, 4', 5-ペンタクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル (IV) は加熱により種々の塩素化ダイオキシンを生成した。生成した塩素化ダイオキシンの一部は別途合成した標準品の1H-NMRおよびマスス...
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Published in | 環境化学 Vol. 2; no. 3; pp. 503 - 514 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境化学会
10.09.1992
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Summary: | 2, 4, 4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル (イルガサンDP300) (I) とその塩素化誘導体である2', 3, 4, 4'-テトラクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル (II) , 2', 4, 4', 5-テトラクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル (III) および2', 3, 4, 4', 5-ペンタクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル (IV) は加熱により種々の塩素化ダイオキシンを生成した。生成した塩素化ダイオキシンの一部は別途合成した標準品の1H-NMRおよびマススペクトルなどとの比較により同定された。その他の塩素化ダイオキシンについては, 1H-NMRおよびマススペクトルから, それらの化学構造を推定した。その結果, Iはその分子内脱塩化水素反応に対応する2, 8-ジクロロダイオキシン (2, 8-di-CDD) およびそのSmiles異性体である2, 7-di-CDDを生成するが, II, IIIおよびIVは分子内脱塩化水素反応に対応する塩素化ダイオキシンおよびそのSmiles異性体の他に, より塩素化されたダイオキシンを生成した。とくに, IIIからは, 塩素化ダイオキシン類で最も高毒性の2, 3, 7, 8-テトラクロロダイオキシン (2, 3, 7, 8-tetra-CDD) が生成した。この結果はこれまでに報告されている以外の新たな2, 3, 7, 8-tetra-CDD生成経路を示唆している。 |
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ISSN: | 0917-2408 1882-5818 |
DOI: | 10.5985/jec.2.503 |