産婦人科領域におけるCefuzonamの基礎的・臨床的研究 Cefuzonam産婦人科感染症研究会

• Published in: The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 41; no. 8; pp. 971 - 996
• Main Authors: 柴田, 繁男, 山賀, 明弘, 野田, 克已, 中野, 隆, 渡辺, 博子, 鳥居, 豊, 南, 幹雄, 大和, 竜夫, 蜂屋, 祥一, 飯田, 晃司, 谷山, 圭一, 鈴木, 正明, 矢嶋, 聰, 國井, 勝昭, 伊藤, 邦彦, 高見澤, 裕吉, 春山, 康久, 森本, 紀, 今村, 定臣, 金尾, 昌明, 山尾, 裕道, 岡田, 弘二, 牟禮, 一秀, 平林, 光司, 斉藤, 豊一, 吉田, 威, 我妻, 発, 井上, 公俊, 荒井, 清, 一戸, 喜兵衛, 岡村, 州博, 久保, 田健二, 太田, 博孝, 池田, 信子, 大岩, 一彦, 山辺, 徹, 高橋, 克幸, 原, 鐵晃, 古野, 剛一, 植村, 次雄, 小林, 裕, 渡辺, 哲也, 木村, 武彦, 宮川, 勇生, 近藤, 英明, 福永, 完吾, 西村, 満, 清水, 哲也, 宇野, 美幸, 松田, 静治, 真木, 正博, 清水, 洋, 河合, 俊, 出口, 浩一, 加藤, 俊, 池下, 久弥, 舘野, 政也, 小幡, 功, 大屋, 敦, 佐藤, 卓, 熊谷, 一郎, 保田, 仁介, 岡田, 悦子, 斉藤, 聰史, 辻井, 孝, 松井, 幸雄, 早崎, 源基, 小林, 総介, 竹内, 正七, 山澤, 功二, 湯沢, 秀夫, 高岡, 波留人, 本郷, 基弘, 小池, 清彦, 亀田, 省吾, 森本, 勝, 相馬, 彰, 堀井, 高久, 川口, 勲, 内藤, 博之, 小原, 達也, 有広, 忠雅, 野田, 起一郎, 林, 茂興, 渡辺, 正昭, 星, 和彦, 野田, 正和, 長谷川, 天洙, 張, 南薫, 畑瀬, 哲郎, 河野, 恭悟, 松井, 英雄, 林, 茂一郎, 鷲見, 裕久, 占部, 武, 春田, 恒和, 水口, 弘司, 鈴木, 三郎, 佐藤, 章, 芳賀, 宏光
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.08.1988
• ISSN: 0368-2781; 2186-5477
• DOI: 10.11553/antibiotics1968b.41.971

Cefuzonam (CZON, L-105) の産婦人科領域における感染症に対する有効性と安全性を基礎的, 臨床的に評価し, 以下の成績を得た。 1. 産婦人科領域感染症から比較的高頻度に分離されたStaphylococcus aureus, Coagulase (一) staphylococci, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Bacteroides fragilis group, Peplostreplococcus spp. に対するCZONのMICのPeak値は106CFU/ml接種でそれぞれ0.39, 0.20, 0.024, 0.024～0.05, 12.5, 0.20μg/mlであった。 2. CZON 1gを静注後, 骨盤死腔滲出液への移行は60.9分に最高になり, その時の濃度は18.7μg/mlであった。各組織への移行は0.6～27.9分で最高に達し, その濃度は11.9～26.3μg/gであった。又, 1g 1時間点滴静注した場合, 骨盤死腔滲出液への移行は点滴静注終了後97.0分で最高に達し, その濃度は8.3μg/mlであった。各組織への移行性は点滴静注終了直後に最高になり, その濃度は14.3～30.0μg/gであった。 2g 1時間点滴静注の場合, 各組織への移行は投与終了直後に最高に達し, その濃度は35.0～53.9μg/gで, 用量依存的に高くなっていた。 3. 臨床効果は婦人性器感染症206例で検討した。有効率は子宮内感染症で97.1% (67例/69例), 骨盤内感染症で81.6% (31例/38例), 子宮付属器炎で91.8% (45例/49例), 外性器感染で95.2% (20例/21例), その他の感染症では86.2% (25例/29例) であった。 4. 副作用はCZONを投与した262例中7例に発現し, 主な症状は発疹, 発赤など皮膚症状であった。臨床検査値異常は9例にみられたが, そのほとんどが肝機能検査値の軽度上昇であった。 以上のことからCZONは産婦人科領域の感染症に対して有用性の高い薬剤と考えられる。