等尺性収縮が脊髄運動神経機能の興奮性に与える影響 健常中高齢者群,片麻痺群(非麻痺側)における検討
健常中高齢者17例の上肢30肢,慢性期脳血管障害患者30例の非麻痺側上肢30肢を対象とし,安静時ならびに最大収縮の25,50,75,100%時のF波を母指対立筋から記録した。この結果と健常若年者の先行研究から脊髄神経機能の興奮性に与える加齢の影響,脳血管障害非麻痺側の等尺性収縮時の脊髄運動神経機能に与える影響についても検討した。 健常者の加齢が脊髄運動神経機能に与える影響は,等尺性収縮時で中高齢者でF波振幅F/M比の有意な低下(対応のないt-検定:p < 0.01)が認められた。加齢が脊髄運動神経機能の興奮性に与える影響は安静時より等尺性収縮時により著明であることが示唆された。 脳血管障...
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Published in | 理学療法学 Vol. 20; no. 4; pp. 212 - 217 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
01.07.1993
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Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.KJ00003127544 |
Cover
Summary: | 健常中高齢者17例の上肢30肢,慢性期脳血管障害患者30例の非麻痺側上肢30肢を対象とし,安静時ならびに最大収縮の25,50,75,100%時のF波を母指対立筋から記録した。この結果と健常若年者の先行研究から脊髄神経機能の興奮性に与える加齢の影響,脳血管障害非麻痺側の等尺性収縮時の脊髄運動神経機能に与える影響についても検討した。 健常者の加齢が脊髄運動神経機能に与える影響は,等尺性収縮時で中高齢者でF波振幅F/M比の有意な低下(対応のないt-検定:p < 0.01)が認められた。加齢が脊髄運動神経機能の興奮性に与える影響は安静時より等尺性収縮時により著明であることが示唆された。 脳血管障害患者の非麻痺側における脊髄運動神経機能は健常中高齢者と比較して有意差を認めなかったが,これについては今後,神経学的症状の程度および内容について検討する必要がある。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.KJ00003127544 |