急性心不全治療薬NKH477の体内動態(第3報):ラットにおける単回静脈内投与時の胎盤通過性および乳汁移行性

妊娠ラットおよび授乳中ラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの胎盤通過性および乳汁中移行性について検討した. 1.妊娠17日目のラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの全身オートラジオグラムより,投与後6時間まで胎盤および羊膜に母獣血液とほぼ同程度の放射能が認められたが,24時間後には痕跡程度まで減衰した.胎仔および羊水には放射能は認められなかった. 2.妊娠14日目および18日目のラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したとき,羊水,胎仔および胎仔肝臓中の放射能濃度は羊膜および胎盤中の放射能濃度よりも低値であった.また,投与後5分および1時間の胎仔の放射能は...

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Published in薬物動態 Vol. 13; no. 3; pp. 229 - 236
Main Authors 松本, 真一, 浴, 敏子, 入江, 毅, 合田, 里佳, 山下, 幸和
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本薬物動態学会 1998
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ISSN0916-1139
DOI10.2133/dmpk.13.229

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Summary:妊娠ラットおよび授乳中ラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの胎盤通過性および乳汁中移行性について検討した. 1.妊娠17日目のラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの全身オートラジオグラムより,投与後6時間まで胎盤および羊膜に母獣血液とほぼ同程度の放射能が認められたが,24時間後には痕跡程度まで減衰した.胎仔および羊水には放射能は認められなかった. 2.妊娠14日目および18日目のラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したとき,羊水,胎仔および胎仔肝臓中の放射能濃度は羊膜および胎盤中の放射能濃度よりも低値であった.また,投与後5分および1時間の胎仔の放射能は母獣血液の1/3~1/9であった.妊娠14日目および18日目でともに胎盤を通過する放射能はわずかであり,同様であった.胎仔に分布したわずかな放射能は速やかに消失した. 3.分娩後11日目の授乳中ラットに14C-NKH477を単回静脈内投与したときの乳汁中には放射能が認められ,乳汁/血漿中放射能濃度比は投与後24時間まで1.0~2.2であった.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.13.229