多発性硬化症患者の在宅支援の現状と問題点

多発性硬化症(以下, MS)は, 多彩な症状と病気の経過が一様ではないことから, 患者と家族は病気の予測や見通しをたてることが難しいまま在宅生活を送っている. 在宅療養というと重い障害が残り, 介護や看護を必要とした状態に着目されることが多いが, MSは就業や就学を続けながら, 症状コントロールや治療を生活の中に組み入れて在宅生活を送る患者も多い. このようにある程度自立できている患者に対して, 看護者の患者理解と支援が不十分なのではないかと考えている. MSとともに生きる患者を支援するためには, 寛解期を含めた闘病の全期間にわたる時間的継続と, 病棟と外来, 他施設と多職種との連携が求められ...

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Published in医療 Vol. 62; no. 7; pp. 400 - 402
Main Author 久賀, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.07.2008
国立医療学会
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Summary:多発性硬化症(以下, MS)は, 多彩な症状と病気の経過が一様ではないことから, 患者と家族は病気の予測や見通しをたてることが難しいまま在宅生活を送っている. 在宅療養というと重い障害が残り, 介護や看護を必要とした状態に着目されることが多いが, MSは就業や就学を続けながら, 症状コントロールや治療を生活の中に組み入れて在宅生活を送る患者も多い. このようにある程度自立できている患者に対して, 看護者の患者理解と支援が不十分なのではないかと考えている. MSとともに生きる患者を支援するためには, 寛解期を含めた闘病の全期間にわたる時間的継続と, 病棟と外来, 他施設と多職種との連携が求められる. 課題は多々あるが, 患者の希望を支えるために看護者も希望をもってシステムやケアの工夫・開発に取り組んでいきたいと考えている.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.62.400