L/N型Caチャネル拮抗薬 「アテレック®」

『Ca拮抗薬の「進化」』 アテレック(R)(一般名:シルニジピン)はジヒドロピリジン系のカルシウム(Ca)拮抗薬に分類されますが, 本邦では類薬が10種類以上も市販されており, 主に血圧降下薬として広く臨床で用いられています. アテレック(R)はその中でもN型Caチャネルという交感神経に存在するチャネルもブロックするという, 他のCa拮抗薬にはみられない特徴を有しています. もともと強力な降圧作用を持つCa拮抗薬は, かつては「両刃の剣」といえました. 最初に登場したニフェジピンは強力な血管拡張作用による降圧の強さが特徴でしたが, 反面, 反射性の交感神経の活性化による心拍数増加の副作用がみら...

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Published in医療 Vol. 62; no. 9; pp. 516 - 517
Main Author 高木, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.09.2008
国立医療学会
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Summary:『Ca拮抗薬の「進化」』 アテレック(R)(一般名:シルニジピン)はジヒドロピリジン系のカルシウム(Ca)拮抗薬に分類されますが, 本邦では類薬が10種類以上も市販されており, 主に血圧降下薬として広く臨床で用いられています. アテレック(R)はその中でもN型Caチャネルという交感神経に存在するチャネルもブロックするという, 他のCa拮抗薬にはみられない特徴を有しています. もともと強力な降圧作用を持つCa拮抗薬は, かつては「両刃の剣」といえました. 最初に登場したニフェジピンは強力な血管拡張作用による降圧の強さが特徴でしたが, 反面, 反射性の交感神経の活性化による心拍数増加の副作用がみられることがありました. 短時間作用型ニフェジピンでは, かえって心疾患を増加させるというショッキングな報告もありました(Furberg CD. Circulation 1995:92:1326). またこの薬剤は持続性が短く1日3回の服用が必要だということも克服しなければならない点でした.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.62.516