病院管理の立場から
1. 輸血療法の進歩により医学・医療は大きく発展した. 血液使用は, (1)治療医学の進歩による白血病・再生不良性貧血等の難治性血液疾患, 癌等の悪性疾患患者等の延命, (2)老人の増加, 老人医学特に老人外科の発展, 老人医療の無料化による治療の普及, (3)肝・胆・膵系その他臓器の悪性腫瘍に対する拡大根治手術の普及, (4)血漿成分製剤及び血漿分画製剤の驚異的な使用料増加(老人・肝疾患・消化器癌等の患者に対する血漿蛋白・アルブミンの補給), (5)治療的血漿交換術の普及による血漿使用の増加等々の諸因子が関連しているためであると考えられる. それと共に医療過誤として訴訟事件になった件数は昭5...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 5; pp. 851 - 853 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
01.11.1994
日本輸血学会 |
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ISSN | 0546-1448 1883-8383 |
DOI | 10.3925/jjtc1958.40.851 |
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Summary: | 1. 輸血療法の進歩により医学・医療は大きく発展した. 血液使用は, (1)治療医学の進歩による白血病・再生不良性貧血等の難治性血液疾患, 癌等の悪性疾患患者等の延命, (2)老人の増加, 老人医学特に老人外科の発展, 老人医療の無料化による治療の普及, (3)肝・胆・膵系その他臓器の悪性腫瘍に対する拡大根治手術の普及, (4)血漿成分製剤及び血漿分画製剤の驚異的な使用料増加(老人・肝疾患・消化器癌等の患者に対する血漿蛋白・アルブミンの補給), (5)治療的血漿交換術の普及による血漿使用の増加等々の諸因子が関連しているためであると考えられる. それと共に医療過誤として訴訟事件になった件数は昭51~61年の11年間に1, 407件ある. その中輸血に関するものが127件(9%)を占めている. 2. アメリカに於てはJCAHO(Joint Commisionon Accreditation of Health Care Organizations医療機関の認定に関する合同委員会)(1993年)による医療機関の質管理対策の主な評価項目(診療行為の評価)として7項目の中の一つとしてあげている. 1)手術に対する評価 2)薬品使用の評価 3)診療記録機能の評価 4)輸血・成分輸血使用例の評価 5)医薬品管理及び治療法の評価 6)リスク及びマネジメントの評価 |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.40.851 |