急性心不全治療薬NKH477の体内動態(第2報):ラットにおける反復静脈内投与後の血液中濃度,分布,排泄および肝薬物代謝酵素系に及ぼす影響

雄性ラットに14C-NKH477を21日間反復静脈内投与したときの血液中放射能濃度,分布および排泄について検討した.また,非標識NKH477を用いて肝薬物代謝酵素系への影響も検討した. 1.毎日投与後24時間における血液中放射能濃度は投与日数に伴い増加し,最終投与後の血液からの放射能の消失は単回投与時に比べ緩慢であった. 2.反復投与により,ほとんどの組織に蓄積性が認められ,特に脾臓,血液,腎臓および腸間膜リンパ節に高い蓄積性が認められた.最終投与後,ほとんどの組織は単回投与時に比べて緩慢な消失を示した. 3.21日問反復投与したとき,最終投与後168時間までに尿に7.8%,糞に88.9%の放...

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Published in薬物動態 Vol. 13; no. 3; pp. 221 - 228
Main Authors 江角, 凱夫, 浴, 敏子, 二宮, 真一, 入江, 毅, 山下, 幸和, 大坪, 美和, 関, 英昌, 松本, 真一, 高市, 松夫, 高尾, 厚志
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本薬物動態学会 1998
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ISSN0916-1139
DOI10.2133/dmpk.13.221

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Summary:雄性ラットに14C-NKH477を21日間反復静脈内投与したときの血液中放射能濃度,分布および排泄について検討した.また,非標識NKH477を用いて肝薬物代謝酵素系への影響も検討した. 1.毎日投与後24時間における血液中放射能濃度は投与日数に伴い増加し,最終投与後の血液からの放射能の消失は単回投与時に比べ緩慢であった. 2.反復投与により,ほとんどの組織に蓄積性が認められ,特に脾臓,血液,腎臓および腸間膜リンパ節に高い蓄積性が認められた.最終投与後,ほとんどの組織は単回投与時に比べて緩慢な消失を示した. 3.21日問反復投与したとき,最終投与後168時間までに尿に7.8%,糞に88.9%の放射能が排泄された.尿,糞中排泄率は単回投与群とほとんど相違は認められなかった. 4.0.3mg/kgおよび1.0mg/kgで7日間反復投与したとき肝重量,チトクロームP-450含量および肝薬物代謝酵素系への影響は認められなかった.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.13.221