前期高齢者・後期高齢者の頸椎症性脊髄症に対する手術戦略 内視鏡下椎弓切除術と両開き式椎弓形成術の比較

はじめに:頸椎症性脊髄症(CSM)に対する内視鏡下椎弓切除術(CMEL)と椎弓形成術(LP)の治療成績を前期・後期高齢者で比較した.対象と方法:2017年1月から2021年12月までのCSM患者158例を対象とした.前期高齢者(CMEL群13例,LP群77例)と後期高齢者(CMEL群20例,LP群48例)において,手術時間,出血量,合併症,入院期間,術後2年における治療有効割合,満足度等を評価した.結果:前期高齢者群では,CMEL群は出血量(18.2 ml vs 109.2 ml),合併症(0% vs 13%),入院期間(9.6日 vs 13.9日)で優れていたが,治療有効割合は低値であった(...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 16; no. 8; pp. 1130 - 1135
Main Authors 長田 圭司, 橋爪 洋, 高見 正成, 岩崎 博, 山田 宏, 筒井 俊二, 寺口 真年, 石元 優々
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.08.2025
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2025-3068

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Summary:はじめに:頸椎症性脊髄症(CSM)に対する内視鏡下椎弓切除術(CMEL)と椎弓形成術(LP)の治療成績を前期・後期高齢者で比較した.対象と方法:2017年1月から2021年12月までのCSM患者158例を対象とした.前期高齢者(CMEL群13例,LP群77例)と後期高齢者(CMEL群20例,LP群48例)において,手術時間,出血量,合併症,入院期間,術後2年における治療有効割合,満足度等を評価した.結果:前期高齢者群では,CMEL群は出血量(18.2 ml vs 109.2 ml),合併症(0% vs 13%),入院期間(9.6日 vs 13.9日)で優れていたが,治療有効割合は低値であった(30.8% vs 70.1%).後期高齢者群では,CMEL群は出血量(32.0 ml vs 86.6 ml),合併症(5.0% vs 12.5%)で優れ,治療有効割合に差はなく(45.0% vs 56.3%),満足度は高値を示した(8.6 vs 7.6).結論:CMELは低侵襲だが,前期高齢者での治療有効性はLPが優れていた.後期高齢者ではCMELの低侵襲性を活かした手術が有用である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2025-3068