口唇裂口蓋裂者における大臼歯の咬合異常 第一報:第二大臼歯鋏状咬合の発現率と発現機序に関する検討
口唇裂口蓋裂者の歯科矯正治療を行う際に遭遇する大臼歯部の咬合異常,特に第二大臼歯の鋏状咬合に注目して発現頻度,裂型との関連性,発現機序について歯列石膏模型を用いて調べた. 結果 1.口唇裂口蓋裂者大臼歯部における頬舌的な咬合様式は,第一大臼歯では正常型から交叉型,第二大臼歯では正常型から鋏状咬合への分布が認められた. 2.口唇裂口蓋裂者に発現する第二大日粛の鋏状咬合は,裂型との因果関係が強く,特に口蓋裂を有する者に有意な発現が認められた. 3.口蓋裂を有する者における鋏状咬合は,第一大臼歯の咬合状態(交叉型,正常型)に関わりなく発現が見られた. 4.第二大臼歯の鋏状咬合は,同歯の頬側転位によっ...
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Published in | 日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 17; no. 4; pp. 333 - 339 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本口蓋裂学会
31.10.1992
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Subjects | |
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ISSN | 0386-5185 2186-5701 |
DOI | 10.11224/cleftpalate1976.17.4_333 |
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Summary: | 口唇裂口蓋裂者の歯科矯正治療を行う際に遭遇する大臼歯部の咬合異常,特に第二大臼歯の鋏状咬合に注目して発現頻度,裂型との関連性,発現機序について歯列石膏模型を用いて調べた. 結果 1.口唇裂口蓋裂者大臼歯部における頬舌的な咬合様式は,第一大臼歯では正常型から交叉型,第二大臼歯では正常型から鋏状咬合への分布が認められた. 2.口唇裂口蓋裂者に発現する第二大日粛の鋏状咬合は,裂型との因果関係が強く,特に口蓋裂を有する者に有意な発現が認められた. 3.口蓋裂を有する者における鋏状咬合は,第一大臼歯の咬合状態(交叉型,正常型)に関わりなく発現が見られた. 4.第二大臼歯の鋏状咬合は,同歯の頬側転位によって発現するものと考えられ,その原因として口蓋裂閉鎖手術が関連するものと推察された. |
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ISSN: | 0386-5185 2186-5701 |
DOI: | 10.11224/cleftpalate1976.17.4_333 |