メンタルローテーション課題における反応速度の違い 個人因子に着目して

【背景】メンタルローテーション(mental rotation:以下,MR)課題を用いたリハビリテーションは,運動イメージを用いた介入手段の一つとして広く実践されてきている.MR課題に関連する個人因子の検討は,こうしたMR課題の導入や難易度調整において重要である.そこで本研究の目的は,MR課題と手指運動能力および過去の活動習慣との関連性を明らかにすることとした.【対象】大学生70名を対象とした.【方法】過去の活動習慣(活動内容,活動期間)についての調査を行った後に,MR課題および手指運動能力の評価を行った.【結果】これまでの活動内容では手指巧緻性を必要とする活動を実施していたものが13名,全身...

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Published in保健医療学雑誌 Vol. 15; no. 2; pp. 69 - 75
Main Authors 山本, 陽香, 福井, 渉真, 宮永, 水紀, 安田, 希和, 𣘺本, 絢大, 坂口, 雄哉, 大塚, 恒弘, 清水, 大輔, 平上, 尚吾, 小林, 隆司, 田中, 陽一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 保健医療学学会 01.10.2024
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Summary:【背景】メンタルローテーション(mental rotation:以下,MR)課題を用いたリハビリテーションは,運動イメージを用いた介入手段の一つとして広く実践されてきている.MR課題に関連する個人因子の検討は,こうしたMR課題の導入や難易度調整において重要である.そこで本研究の目的は,MR課題と手指運動能力および過去の活動習慣との関連性を明らかにすることとした.【対象】大学生70名を対象とした.【方法】過去の活動習慣(活動内容,活動期間)についての調査を行った後に,MR課題および手指運動能力の評価を行った.【結果】これまでの活動内容では手指巧緻性を必要とする活動を実施していたものが13名,全身的な活動を実施していたものが12名,これらの両活動を実施していたものが33名であった.MR課題と手指運動能力との間には有意な相関関係は見られなかった.一方,活動習慣に基づく群間比較では,過去の活動期間が長い群の方が短い群よりもMR課題の成績が有意に優れていた.【結語】これまでの活動期間の長短において,MR課題に群間差を認めた.本研究結果より,活動習慣といった個人因子を詳細に把握することは,MR課題の導入や難易度調整において考慮すべき要因の一助になるのではないかと思われる.
ISSN:2185-0399
DOI:10.15563/jalliedhealthsci.15.69