3次元CT再構成による術前シミュレーションを用いた頚椎後縦靱帯骨化症に対する前方除圧

目的:頚椎後縦靱帯骨化症(以下OPLL)の前方除圧に対して3次元的な術前シミュレーションを行い従来の冠状断CT再構成と比較することである.方法:術前CTデータをもとに作成した3次元再構成を用いて,現実の手術のように椎体表面から脊柱管まで除圧部の冠状断CT再構成を確認できるシミュレーション動画を作成し,術中に参照した(以下本法とする).椎体亜全摘を伴う頚椎OPLL前方手術に際してCT再構成冠状断を用いる従来群18例と本法による3D群17例を比較した.また骨化巣の中心が外側に偏在する外側型サブグループについても調査を行った.手術侵襲,除圧不足,合併症について検討した.結果:手術侵襲,合併症は両群で...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 16; no. 7; pp. 966 - 973
Main Authors 門田, 領, 相庭, 温臣, 望月, 眞人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.07.2025
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Summary:目的:頚椎後縦靱帯骨化症(以下OPLL)の前方除圧に対して3次元的な術前シミュレーションを行い従来の冠状断CT再構成と比較することである.方法:術前CTデータをもとに作成した3次元再構成を用いて,現実の手術のように椎体表面から脊柱管まで除圧部の冠状断CT再構成を確認できるシミュレーション動画を作成し,術中に参照した(以下本法とする).椎体亜全摘を伴う頚椎OPLL前方手術に際してCT再構成冠状断を用いる従来群18例と本法による3D群17例を比較した.また骨化巣の中心が外側に偏在する外側型サブグループについても調査を行った.手術侵襲,除圧不足,合併症について検討した.結果:手術侵襲,合併症は両群で差を認めなかった.除圧不足は従来群7例に対して3D群では0例であった(p<0.01).外側型サブグループの検討では合併症のうち脳脊髄液流出が従来群6例に対して3D群3例であり統計学的有意差を認めた(p<0.05).考察:本法は侵襲を増すことなく高精度な除圧が効率よく施行可能でとくに除圧の難しい外側型症例で有効であった.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2025-3003