陰部神経絞扼に対する長軸平行法によるエコーガイド下ハイドロダイセクション
はじめに:陰部神経絞扼に対する長軸平行法によるエコーガイド下神経ハイドロダイセクションの有用性を検討した.対象と方法:ハイドロダイセクションを7例にのべ22回施行した.陰部神経はE2では坐骨棘先端の僅かに内・尾側を10度腹側方向に1.5 cm縦走するので,平行になるようプローブを調整し長軸像で描出した.神経周囲に薬液を最大4 mlまで注入した.12時間以上効果持続があるものを有効と判定した.結果:すべての試行で陰部神経は同定された.4例では,のべ16回有効でありE2での絞扼と診断した.長軸像は内部が低エコー性,神経外膜・周膜は高エコー性の平行な帯状構造物であるが,絞扼例では神経周囲が粗く高信号...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 16; no. 7; pp. 1030 - 1039 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.07.2025
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Summary: | はじめに:陰部神経絞扼に対する長軸平行法によるエコーガイド下神経ハイドロダイセクションの有用性を検討した.対象と方法:ハイドロダイセクションを7例にのべ22回施行した.陰部神経はE2では坐骨棘先端の僅かに内・尾側を10度腹側方向に1.5 cm縦走するので,平行になるようプローブを調整し長軸像で描出した.神経周囲に薬液を最大4 mlまで注入した.12時間以上効果持続があるものを有効と判定した.結果:すべての試行で陰部神経は同定された.4例では,のべ16回有効でありE2での絞扼と診断した.長軸像は内部が低エコー性,神経外膜・周膜は高エコー性の平行な帯状構造物であるが,絞扼例では神経周囲が粗く高信号となるため外膜・周膜との境界が不明瞭であった.仙棘靭帯から神経を浮遊化できたが無効であった3例は絞扼を否定できた.絞扼の1例では神経が浮遊化し陰部痛と頻尿が完治した.重症の絞扼2例では神経周囲での薬液の拡がりが不良で効果も持続せず手術適応とした.結語:長軸法は神経剥離の難易度・達成度を可視化できるのでブロック効果の解釈が容易となる. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2025-3039 |