抗微生物剤の生体内動態に関する研究 コリスチンについて

Colistinは, 1946年わが国において発見されたポリペプチッド系抗生物質であつて, その変形菌とナイセリアを除いたグラム陰性菌に対する強力な抗菌性は, 周知のとおりである。常用抗生物質に対する耐性菌の増加した細菌性赤痢の治療に広く用いられようとし, 一方, ポリミキシンBを除いて抗菌性を示す抗生物質が少く, 最近増加の傾向の著るしい緑膿菌もColistinに対しては感受性であるので, この方面にも使用価値をもつている。 Colistinに関する研究は, 欧米諸国においてひきつがれ, 多くの業蹟が報告されているが, 生体内動態についての研究は少く, 濃度測定に関しても一定した成績に乏しい...

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Published inThe Journal of Antibiotics, Series B Vol. 15; no. 1; pp. 7 - 10
Main Authors 深谷, 一太, 本間, 久枝, 北本, 治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.02.1962
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ISSN0447-8991
2186-5469
DOI10.11554/antibiotics1953b.15.7

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Summary:Colistinは, 1946年わが国において発見されたポリペプチッド系抗生物質であつて, その変形菌とナイセリアを除いたグラム陰性菌に対する強力な抗菌性は, 周知のとおりである。常用抗生物質に対する耐性菌の増加した細菌性赤痢の治療に広く用いられようとし, 一方, ポリミキシンBを除いて抗菌性を示す抗生物質が少く, 最近増加の傾向の著るしい緑膿菌もColistinに対しては感受性であるので, この方面にも使用価値をもつている。 Colistinに関する研究は, 欧米諸国においてひきつがれ, 多くの業蹟が報告されているが, 生体内動態についての研究は少く, 濃度測定に関しても一定した成績に乏しいようであつた。著者らは, ここにこの面からColistinに関する再検討を企てる機会を得たので報告する。
ISSN:0447-8991
2186-5469
DOI:10.11554/antibiotics1953b.15.7