尿路結石症における蓚酸に関する研究 I. Radioenzyme 法による尿中蓚酸の測定

尿中の蓚酸測定の感度および再現性を良くする目的で, 蓚酸に特異的酵素を用いる Bennett の radioenzyme法に改良を加え, 酵素学的に検討した. 2mlの尿サンプル中の蓚酸をカルシウム塩として沈澱させ, エーテルを用いて抽出する. 蓚酸の抽出過程における回収率は酵素反応に影響しない微量の〔14C〕oxalic acid を加えて求めた. 抽出精製した蓚酸に一定量の〔14C〕oxalic acidを加え, 一定量の oxalate decarboxylase と 一定時間反応させる. 反応系中の蓚酸量と産生される14CO2のカウントとは逆比例し, Newsholme-Taylorの...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 72; no. 6; pp. 694 - 700
Main Author 小川, 由英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 20.06.1981
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.72.6_694

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Summary:尿中の蓚酸測定の感度および再現性を良くする目的で, 蓚酸に特異的酵素を用いる Bennett の radioenzyme法に改良を加え, 酵素学的に検討した. 2mlの尿サンプル中の蓚酸をカルシウム塩として沈澱させ, エーテルを用いて抽出する. 蓚酸の抽出過程における回収率は酵素反応に影響しない微量の〔14C〕oxalic acid を加えて求めた. 抽出精製した蓚酸に一定量の〔14C〕oxalic acidを加え, 一定量の oxalate decarboxylase と 一定時間反応させる. 反応系中の蓚酸量と産生される14CO2のカウントとは逆比例し, Newsholme-Taylorの式により決定される. この反応系における oxalate decarboxylase のKmは35.6μMであり, この酵素の拮抗阻害物質てある燐酸および硫酸のK1はそれぞれ0.9mM, 1.3mMてあつた. 添加回収試験の回収率は103.7±2.1% (SE) であつた. 健康人の24時間尿中蔭酸排泄は24.4±6.9mg (SD) てあつた.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.72.6_694