研削砥石の研削性能に関する研究 (第2報) 結合度むらと加工物真円度形状

本報において, 超音波パルス透過法による弾性係数で砥石の結合度むらを評価した上で, 結合度むらの大きさとその分布形態が加工物真円度形状に及ぼす影響, 並びに結合度むらの影響を最小にする研削条件について検討した.その結果, 次のような結論を得た. (1) 結合度むらが大きい程, また結合度むらの極値が少ない程, 加工物真円度形状に悪影響を及ぼす. (2) 結合度むらは超音波パルス透過法による弾性係数で評価でき, 砥石作動面近傍の外周に沿った弾性係数の分布曲線と加工物表面のうねりの形状とはよく対応する. (3) 砥石と加工物との回転数比によって, 結合度むらの影響を最小にすることができるが, その...

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Published in精密機械 Vol. 51; no. 12; pp. 2315 - 2321
Main Authors 東江, 真一, 海野, 邦昭, 篠崎, 襄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 精密工学会 05.12.1985
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Summary:本報において, 超音波パルス透過法による弾性係数で砥石の結合度むらを評価した上で, 結合度むらの大きさとその分布形態が加工物真円度形状に及ぼす影響, 並びに結合度むらの影響を最小にする研削条件について検討した.その結果, 次のような結論を得た. (1) 結合度むらが大きい程, また結合度むらの極値が少ない程, 加工物真円度形状に悪影響を及ぼす. (2) 結合度むらは超音波パルス透過法による弾性係数で評価でき, 砥石作動面近傍の外周に沿った弾性係数の分布曲線と加工物表面のうねりの形状とはよく対応する. (3) 砥石と加工物との回転数比によって, 結合度むらの影響を最小にすることができるが, その回転数比は同一点研削回数によって異なる.
ISSN:0374-3543
DOI:10.2493/jjspe1933.51.2315