未知なる可能性ケタス

[ケタス(R)とは] ケタス(R)(イブジラスト)は, 一剤で「気管支喘息」および「脳梗塞後遺症にともなう慢性脳循環障害によるめまいの改善」の適応症を持つホスフォジエステラーゼ(PDE)阻害薬である. キョーリン製薬が開発し, 1989年より国内で販売されている. [その作用機序は何か] ケタス(R)は, ピラゾロピリジン系誘導体のスクリーニング中に, 強力な平滑筋弛緩作用を示す化合物として発見された. 動物実験の段階で多様な疾患モデルに対し有効性を示したが, その作用はとくに脳血管と気道において顕著であり, 脳循環障害および気管支喘息の治療薬を目指し, 開発が進められることになる. ケタス(...

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Published in医療 Vol. 62; no. 7; pp. 407 - 408
Main Author 宇野, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.07.2008
国立医療学会
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Summary:[ケタス(R)とは] ケタス(R)(イブジラスト)は, 一剤で「気管支喘息」および「脳梗塞後遺症にともなう慢性脳循環障害によるめまいの改善」の適応症を持つホスフォジエステラーゼ(PDE)阻害薬である. キョーリン製薬が開発し, 1989年より国内で販売されている. [その作用機序は何か] ケタス(R)は, ピラゾロピリジン系誘導体のスクリーニング中に, 強力な平滑筋弛緩作用を示す化合物として発見された. 動物実験の段階で多様な疾患モデルに対し有効性を示したが, その作用はとくに脳血管と気道において顕著であり, 脳循環障害および気管支喘息の治療薬を目指し, 開発が進められることになる. ケタス(R)の作用機序は, 当初からPDE阻害と想定され, 実際, in vitroにおけるPDE阻害作用がきわめて強いことが示された. しかしながら, その作用機序がPDE阻害であることをin vivo(生体)の実験系で証明することは困難であった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.62.407