副腎癌術後再発に対するmitotane (o, p'-DDD) 単独投与が著明な腫瘍縮小効果を得た1例

症例は, 68歳女性。右腰背部痛を主訴に近医を受診し, 右副腎腫瘤を指摘され1999年10月当科初診。1999年12月に右副腎摘出術+肝部分切除術を施行した。病理診断は, 副腎皮質腺腫であった。以後, 外来で経過観察していたが, 2000年6月に手術創に沿った皮下腫瘤が出現した。ECHO下腫瘤生検を施行し, 副腎皮質癌 (以下, 副腎癌) の局所再発と診断した。2000年8月よりmitotaneの単独投与を開始したところ, 著明な腫瘍縮小効果を認めた。副腎癌は比較的まれな疾患であるが, あらゆる年齢の男女いずれにも発生する予後不良な疾患である。現在のところ外科的治療法のみが根治を期待できる治療...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 50; no. 3; pp. 186 - 189
Main Authors 清田, 浩, 山崎, 春城, 大石, 幸彦, 長谷川, 太郎, 和田, 鉄郎, 柚須, 恒, 前田, 重孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.03.2002
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.50.186

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Summary:症例は, 68歳女性。右腰背部痛を主訴に近医を受診し, 右副腎腫瘤を指摘され1999年10月当科初診。1999年12月に右副腎摘出術+肝部分切除術を施行した。病理診断は, 副腎皮質腺腫であった。以後, 外来で経過観察していたが, 2000年6月に手術創に沿った皮下腫瘤が出現した。ECHO下腫瘤生検を施行し, 副腎皮質癌 (以下, 副腎癌) の局所再発と診断した。2000年8月よりmitotaneの単独投与を開始したところ, 著明な腫瘍縮小効果を認めた。副腎癌は比較的まれな疾患であるが, あらゆる年齢の男女いずれにも発生する予後不良な疾患である。現在のところ外科的治療法のみが根治を期待できる治療法とされ, 不完全切除例の予後はきわめて不良である。今回われわれは, 副腎癌の局所再発にmitotaneの単独投与が奏効した症例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.50.186