国立仙台病院におけるCRC業務の分析と今後の課題

新GCPのもとで、治験を適正かっ円滑に実施していく為には、CRC (クリニカル・リサーチ・コーディネーター: 治験コーディネーター) の協力は必要不可欠と言われている。しかし一般にはCRCという言葉自体が耳慣れず、その業務内容も不透明といった印象が強い。CRCの活動は治験チームのコーディネーションを中心にその業務は多岐にわたり、データおよび情報のマネージメントも必要とされる。平成14年度の当院におけるCRCの業務内容を件数で分析したところ、「被験者への対応」が36%、「データチェック、プロトコールに沿った検査スケジュールの管理」が25%、「記録」が19%、「IC (インフォームド・コンセント)...

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Published in医療マネジメント学会雑誌 Vol. 4; no. 4; pp. 525 - 528
Main Authors 村井, 真由美, 内藤, 義博, 小池, 耕一, 菊池, 喜博, 宮崎, いく子, 手塚, 文明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会 01.03.2004
日本医療マネジメント学会
Subjects
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ISSN1345-6903
1884-6793
DOI10.11191/jhm2000.4.525

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Summary:新GCPのもとで、治験を適正かっ円滑に実施していく為には、CRC (クリニカル・リサーチ・コーディネーター: 治験コーディネーター) の協力は必要不可欠と言われている。しかし一般にはCRCという言葉自体が耳慣れず、その業務内容も不透明といった印象が強い。CRCの活動は治験チームのコーディネーションを中心にその業務は多岐にわたり、データおよび情報のマネージメントも必要とされる。平成14年度の当院におけるCRCの業務内容を件数で分析したところ、「被験者への対応」が36%、「データチェック、プロトコールに沿った検査スケジュールの管理」が25%、「記録」が19%、「IC (インフォームド・コンセント) の補助」、「CRF (症例報告書) の記載」がそれぞれ5%、「電話相談および電話連絡」が4%といった結果であった。しかしこれらの業務は一つ一つが独立しているのではなく、全てが関連し、コーディネートされることで一つの結果、もしくは援助が導き出される。つまりCRCとして被験者を正しく観察し、充分なケアをすることは患者の安全性を確保することにつながり、更には信頼関係を築かせることになる。また、知り得た情報を他のスタッフと共有することで、患者に還元される医療の質および、治験における品質管理もさらに向上すると考える。今後治験をコーディネートしていく上で、治験における “情報の共有化” という一つの課題を見出した。
ISSN:1345-6903
1884-6793
DOI:10.11191/jhm2000.4.525