症例 上行大動脈の背側を通る左無名静脈の2例 コントラスト心エコー図およびドップラー心エコー図による診断

発生頻度のまれな上行大動脈の背側を通る左無名静脈を2例経験した、症例1は右側大動脈弓を伴うFallot四徴症で,症例2は部分肺静脈還流異常を伴う心房中隔欠損症である.本症自体の臨床的意義は少ないが,肺動静脈との鑑別を要し,特に手術が必要な他の心奇形に伴う場合,正確な術前診断は重要である.無名静脈走行異常の診断は,断層心エコー法によりほぼ可能であるが,我々はコントラスト心エコー法およびドップラー心エコー法を併用することで診断をさらに確実にできたので報告する.なお,症例1はFallot四徴症に対する修復手術時にも本症を確認している....

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Published in心臓 Vol. 22; no. 12; pp. 1387 - 1390
Main Authors 南, 頼彰, 鈴木, 啓之, 前田, 次郎, 平山, 健二, 根来, 博之, 上村, 茂, 小池, 通夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.12.1990
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Summary:発生頻度のまれな上行大動脈の背側を通る左無名静脈を2例経験した、症例1は右側大動脈弓を伴うFallot四徴症で,症例2は部分肺静脈還流異常を伴う心房中隔欠損症である.本症自体の臨床的意義は少ないが,肺動静脈との鑑別を要し,特に手術が必要な他の心奇形に伴う場合,正確な術前診断は重要である.無名静脈走行異常の診断は,断層心エコー法によりほぼ可能であるが,我々はコントラスト心エコー法およびドップラー心エコー法を併用することで診断をさらに確実にできたので報告する.なお,症例1はFallot四徴症に対する修復手術時にも本症を確認している.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.22.12_1387