症例 アミオダロンの組織内濃度 1剖検例での検討

アミオダロンは特徴ある体内分布を示す抗不整脈薬である.欧米での剖検例の成績では脂肪組織,肺に高濃度に分布し,脂肪組織がアミオダロンを貯蔵する機能を果たしていることが示されている.我々は,心筋梗塞後の難治性心室頻拍に対し,アミオダロンを経口投与中,心機能低下から死亡した1剖検例で,アミオダロンおよびその代謝産物であるモノデスエチルアミオダロン(MDEA)の組織内濃度を測定する機会を得た.その結果,アミオダロンは脂肪組織で最高濃度を示し,ついで骨髄,右室,肺,副腎の順であり,MDEAは肺で最高濃度で,ついで副腎,精巣,肝の順であった.脂肪組織と骨髄においてアミオダロン/MDEAの比が1 以上であっ...

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Published in心臓 Vol. 26; no. 10; pp. 1078 - 1081
Main Authors 杉本, 恒明, 中川, 晃, 碓井, 雅博, 山下, 武志, 村川, 裕二, 井上, 博, 野崎, 彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.10.1994
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.26.10_1078

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Summary:アミオダロンは特徴ある体内分布を示す抗不整脈薬である.欧米での剖検例の成績では脂肪組織,肺に高濃度に分布し,脂肪組織がアミオダロンを貯蔵する機能を果たしていることが示されている.我々は,心筋梗塞後の難治性心室頻拍に対し,アミオダロンを経口投与中,心機能低下から死亡した1剖検例で,アミオダロンおよびその代謝産物であるモノデスエチルアミオダロン(MDEA)の組織内濃度を測定する機会を得た.その結果,アミオダロンは脂肪組織で最高濃度を示し,ついで骨髄,右室,肺,副腎の順であり,MDEAは肺で最高濃度で,ついで副腎,精巣,肝の順であった.脂肪組織と骨髄においてアミオダロン/MDEAの比が1 以上であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.26.10_1078