研究会 第17回日本心臓移植研究会パネルディスカッション 臓器移植法施行から2年:我が国における現況と将来への展望 内科の立場から

臓器移植法施行から2年が経過し,脳死者からの臓器提供を受けて3例の心臓移植が施行された経緯を踏まえ,移が国における心臓移植の現況と将来の展望について検討し,以下のごとく考察・結論した.(1)40例以上の海外渡航移植患者の術後経過は海外の報告に比して良好で,種々の術後合併症の経験もあり,心臓移植関連施設における移植術後管理能力は十分可能である.(2)日本循環器学会移植適応委員会によれば,1997年4月から1999年1月までに64例の移植適応検討症例のうち21例がレシピエント登録されており,レシピエント登録は順調に進んでいる.(3)アンケート調査によれば,医療従事者においても移植医療に対する理解が...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 31; no. 11; pp. 790 - 794
Main Authors 赤阪, 隆史, 薗, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.11.1999
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:臓器移植法施行から2年が経過し,脳死者からの臓器提供を受けて3例の心臓移植が施行された経緯を踏まえ,移が国における心臓移植の現況と将来の展望について検討し,以下のごとく考察・結論した.(1)40例以上の海外渡航移植患者の術後経過は海外の報告に比して良好で,種々の術後合併症の経験もあり,心臓移植関連施設における移植術後管理能力は十分可能である.(2)日本循環器学会移植適応委員会によれば,1997年4月から1999年1月までに64例の移植適応検討症例のうち21例がレシピエント登録されており,レシピエント登録は順調に進んでいる.(3)アンケート調査によれば,医療従事者においても移植医療に対する理解が十分とは言えず,移植医療の啓蒙を含めた臓器提供システムの充実が望まれる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.31.11_790