片脚スクワット動作におけるknee-inと内外側ハムストリングス筋活動比の関係 knee-in量と筋活動比の左右関係に着目して

【目的】 膝前十字靭帯損傷の受傷肢位の多くは膝外反・外旋のknee-inである。knee-inのメカニズムに関する研究では股関節外転筋機能や後足部機能との関係についてのものはあるが、knee-inとハムストリングスの関係についての研究はあまりみられない。今回はknee-inと内外側ハムストリングス筋活動比の関係を検討した。【方法】 対象は下肢に障害や既往のない健常男性(年齢:26.4±3.4歳)5名10脚。課題動作は片脚立位から膝関節を60度屈曲させる片脚スクワットとした。上肢による代償を制限する為、上肢は肘屈曲位で胸の前で固定した。片脚スクワットは膝関節屈曲60度を関節角度計で計測し、被験者...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 p. 104
Main Authors 石原, 剛, 島田, 周輔, 水元, 紗矢, 神原, 雅典, 千葉, 慎一, 吉川, 美佳, 加藤, 彩奈, 浅海, 祐介, 大野, 範夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2010
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.29.0.104.0

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Summary:【目的】 膝前十字靭帯損傷の受傷肢位の多くは膝外反・外旋のknee-inである。knee-inのメカニズムに関する研究では股関節外転筋機能や後足部機能との関係についてのものはあるが、knee-inとハムストリングスの関係についての研究はあまりみられない。今回はknee-inと内外側ハムストリングス筋活動比の関係を検討した。【方法】 対象は下肢に障害や既往のない健常男性(年齢:26.4±3.4歳)5名10脚。課題動作は片脚立位から膝関節を60度屈曲させる片脚スクワットとした。上肢による代償を制限する為、上肢は肘屈曲位で胸の前で固定した。片脚スクワットは膝関節屈曲60度を関節角度計で計測し、被験者に十分な練習を行わせた上で行った。膝外反量を測定する為、上前腸骨棘、膝蓋骨中心、母趾中央部に反射マーカーを貼付し、ビデオカメラで撮影し、動作分析ソフト(ダートフィッシュ社)にて計測を行った。膝関節60°屈曲位で上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結んだ延長線と母趾中央部の反射マーカーの距離をknee-in量(KID)と定義した。表面筋電計(Megawin Version2.0、Mega Electronics社)を用いて、半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋の計測を3試行行い、筋電図へ記録した。筋電図の解析は生波形からRoot MeanSquare(RMS)に変換し、各筋の最大等尺性収縮時の活動量に対する割合(%MVC)として表した。内側ハムストリングスの筋活動として半腱様筋と半膜様筋の平均値をMH値、外側ハムストリングスの筋活動として大腿二頭筋をLH値、MHに対するLHの割合を内外側ハムストリングス筋活動比(M/L比)と定義した。各被検者において左右でKIDを比較し、値の大きい側を高値側、小さい側を低値側に分類した。2群のM/L比を対応のないT検定を用い、有意水準5%で統計学的分析を行った。【結果】 M/L比平均値は124.4%±76.8%であった。M/L比はKID高値側101.0%、低値側147.8%であり、2群間に有意差を認めた。(p<0.05)【考察】 KID高値側でMHに対するLHの活動が優位であることがわかった。これはknee-inという肢位によりLHの活動が優位になったこと、もしくはLHの活動によりknee-inが誘導されたことが考えられる。今後、toeの向き、膝関節肢位を規定した時のMH、LHの筋活動について調査していく。【まとめ】 本研究において左右でよりknee-inしている側ではMHに対してLHの活動が優位になっていることが示された。
Bibliography:178
ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.29.0.104.0