環境共生住宅のデザイン・プロセスに基づく設計手法の基礎的研究 入居後の事後検証による設計手法へのフィードバックの可能性

本研究では,まず近年注目され,今後の建築の課題として取り組まれている「環境に配慮した住宅」の実情を1970年代に遡り,建築雑誌から系統的に抽出し,その設計手法及び住宅の種類を類型化した。更に,その中から集合住宅を中心に,個々の設計意図と入居後運用時に見られる居住者の生活や意識の実態との関係について,アンケートやヒアリングにより調査した。その結果,公共賃貸型と民間型では,運営面において居住者の意識の違いがあることがわかった。更に,住人のライフスタイルに適合する要素技術の導入が望まれ,特に周辺環境との調和や管理運営面において,それが「環境共生」型要素技術を持続的に活用する上で大きく影響していること...

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Published in住宅総合研究財団研究論文集 Vol. 32; pp. 319 - 330
Main Authors 中村, 美和子, 三岡, 裕和, 岩村, 和夫, 中島, 立人, 矢島, 央喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般財団法人 住総研 2006
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ISSN1880-2702
2423-9887
DOI10.20803/jusokenold.32.0_319

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Summary:本研究では,まず近年注目され,今後の建築の課題として取り組まれている「環境に配慮した住宅」の実情を1970年代に遡り,建築雑誌から系統的に抽出し,その設計手法及び住宅の種類を類型化した。更に,その中から集合住宅を中心に,個々の設計意図と入居後運用時に見られる居住者の生活や意識の実態との関係について,アンケートやヒアリングにより調査した。その結果,公共賃貸型と民間型では,運営面において居住者の意識の違いがあることがわかった。更に,住人のライフスタイルに適合する要素技術の導入が望まれ,特に周辺環境との調和や管理運営面において,それが「環境共生」型要素技術を持続的に活用する上で大きく影響していることが明らかとなったこのように「環境に配慮した住宅」を類型別事後調査による課題の精査が持続的改善に繋がるものと考えられ,これからの環境共生住宅」における一連の設計手法の中で「ポスト・デザイン」をより重要視することが望まれる。
ISSN:1880-2702
2423-9887
DOI:10.20803/jusokenold.32.0_319