出雲地域における在宅高齢者の死生観と人生の最終段階の医療に関する意識との関連(第2報) 死生観に関する理由づけの様相

本研究は,出雲地域在宅高齢者における人生の最終段階の医療に関する意識と死生観との関連性を検討した第1報の続報である。目的は,出雲地域在宅高齢者における死生観に関する理由づけについて質的に分析し,その様相を明らかにすることで,アドバンス・ケア・プランニング(別名「人生会議」)の普及に向けた支援の示唆を得ることである。高齢者クラブ会員800名に対する意識調査で回答のあった550名のなかから,属性や死生観の「はい・いいえ」の選択および自由記述欄のすべてに欠損のあった場合を除く252名を分析対象とした。結果,«死は不可避である»,«死ですべて終わりになる»,«制御できない死がある»,«死の準備がある»...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 31; no. 2; pp. 181 - 189
Main Authors 加藤, さゆり, 徳重, あつ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 25.07.2022
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ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.31.2_181

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Summary:本研究は,出雲地域在宅高齢者における人生の最終段階の医療に関する意識と死生観との関連性を検討した第1報の続報である。目的は,出雲地域在宅高齢者における死生観に関する理由づけについて質的に分析し,その様相を明らかにすることで,アドバンス・ケア・プランニング(別名「人生会議」)の普及に向けた支援の示唆を得ることである。高齢者クラブ会員800名に対する意識調査で回答のあった550名のなかから,属性や死生観の「はい・いいえ」の選択および自由記述欄のすべてに欠損のあった場合を除く252名を分析対象とした。結果,«死は不可避である»,«死ですべて終わりになる»,«制御できない死がある»,«死の準備がある»,«死を達観している»,«死を考えてもどうしようもない»,«死を漠然と想像している»,«現世に未練がある»,«死が怖いから考えたくない»,«宗教の教えや体験を信じている»,«現世と来世はつながっている»,«心身の苦痛を予期している»,«未知の世界である»,«来世は苦しみがない»,«死の現実味がない»,«一日一日大切に生ききる»,«生きる上で苦しみから逃げない»,«家族や地域社会に貢献する»,«個人の努力や医学の進歩で延命できる»,«使命を見出せるよう努力する»,«死後のことは考えない»,«寿命がわからないから生きられる»,«子孫繁栄を願っている»,の23カテゴリーからなる【死は避けられないと受け止めている】,【死の恐怖を感じないよう気持ちに折り合いをつける】,【いのちが尽きるまで精一杯生きる】の3コアカテゴリーが抽出された。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.31.2_181