高齢者胃潰瘍に関する検討 臨床像と萎縮境界の面より
高齢者 (60歳以上) 胃潰瘍の特徴を, 臨床像, 背景因子について非高齢者 (60歳未満) 胃潰瘍患者群と比較検討すると同時に, 高齢者非潰瘍者群との内視鏡的胃粘膜萎縮境界の比較を「竹本・木村の分類」を用いて検討した. その結果, 高齢者胃潰瘍群では非高齢者胃潰瘍群に比べ自覚症状に乏しい反面, 出血に関係した重篤な症状を有することが多かった. H2 blocker 投与開始後8週の内視鏡的治癒率においては, 高齢者, 非高齢者両群間で有意差は認められなかった. 内視鏡的胃粘膜萎縮境界の検討では, 高齢者非潰瘍群において Open type が Closed type に比して有意に多かったが...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 30; no. 12; pp. 1051 - 1057 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
01.12.1993
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.30.1051 |
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Summary: | 高齢者 (60歳以上) 胃潰瘍の特徴を, 臨床像, 背景因子について非高齢者 (60歳未満) 胃潰瘍患者群と比較検討すると同時に, 高齢者非潰瘍者群との内視鏡的胃粘膜萎縮境界の比較を「竹本・木村の分類」を用いて検討した. その結果, 高齢者胃潰瘍群では非高齢者胃潰瘍群に比べ自覚症状に乏しい反面, 出血に関係した重篤な症状を有することが多かった. H2 blocker 投与開始後8週の内視鏡的治癒率においては, 高齢者, 非高齢者両群間で有意差は認められなかった. 内視鏡的胃粘膜萎縮境界の検討では, 高齢者非潰瘍群において Open type が Closed type に比して有意に多かったが, 高齢者潰瘍群では Open type に比し, Closed type が有意に多かった. 高齢者潰瘍群のH2 blocker 投与後4週, 8週の内視鏡的治癒率の検討では, いずれも Open type に比し, Closed type で治癒し易い傾向にあった. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.30.1051 |