研究 高血圧を合併した急性左心不全に対するPhentolamineの効果 特にUremic Lungへの臨床応用を中心として

高血圧を合併した急性左心不全患者11例(うち Uremic Lung 6例)tzPhentolamine(5mgを1mg/分の速度で静注)を投与し,その臨床効果と血行動態を検討して以下の結果を得た.(1)11例中10例で迅速且つ著明な肺水腫症状の改善を認めた.(2)心拍数は不変(+4.4%,ns)であったが収縮期血圧(-21.5%.P<0.01),拡張期血圧(-22.7%,P<0.01)中心静脈圧(-38.6%,P<0.01)はいずれも有意の低下を認めた.(3)一部の症例で測定した平均肺動脈圧は33.3%の低下を,心係数は18.8%の増加を,全末梢血管抵抗は24.4%の低下を...

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Published in心臓 Vol. 10; no. 5; pp. 481 - 488
Main Authors 佐々, 寛己, 小沢, 洋, 林, 秀晴, 井本, 正己, 大久保, 満, 丹羽, 豊郎, 松井, 永二, 甲斐, 一成, 小笠原, 文雄, 近藤, 隆, 渡辺, 頴介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 01.05.1978
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Summary:高血圧を合併した急性左心不全患者11例(うち Uremic Lung 6例)tzPhentolamine(5mgを1mg/分の速度で静注)を投与し,その臨床効果と血行動態を検討して以下の結果を得た.(1)11例中10例で迅速且つ著明な肺水腫症状の改善を認めた.(2)心拍数は不変(+4.4%,ns)であったが収縮期血圧(-21.5%.P<0.01),拡張期血圧(-22.7%,P<0.01)中心静脈圧(-38.6%,P<0.01)はいずれも有意の低下を認めた.(3)一部の症例で測定した平均肺動脈圧は33.3%の低下を,心係数は18.8%の増加を,全末梢血管抵抗は24.4%の低下を認めた. 以上よりPheRtolamineによる血管拡張療法はジギタリス剤や利尿剤による効果が余り期待できないUremicLungで特に有用であり,また一般の肺水腫患者でも従来の心不全治療が効果を発揮するまでの間の緊急治療法として今後応用できるものと考えた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.10.5_481