研究 シネアンジオグラムによる定量的左室造影法の容積補正率の検討 等比補正法と相似回転楕円体ファントムによる補正法との対比
シネアンジオ法による左室容積測定上の問題点である拡大補正率につき,メジャーを用いた等比法と回転半楕円体ファントムを用いた方法を比較検討し,次の結果を得た. 1)心臓の中心点の位置が,イメージ面での前後左右の位置を変えないで上下方向に1cm変化すると,5~10%の容積測定上の変化を生じる.2)相似ファントムを同一位置で撮影すると,真容積が大きいほど容積補正率fは少さい値を示し,投影容積V'とfの間には逆相関関係(f=b-aV',a,b:定数)が認められた.これはイメージ面の球面収差の影響である.3)等比法による補正率(CF)3と容積補正率fにより得られた計算値と真容積の,それ...
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Published in | 心臓 Vol. 12; no. 7; pp. 685 - 693 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
25.07.1980
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Summary: | シネアンジオ法による左室容積測定上の問題点である拡大補正率につき,メジャーを用いた等比法と回転半楕円体ファントムを用いた方法を比較検討し,次の結果を得た. 1)心臓の中心点の位置が,イメージ面での前後左右の位置を変えないで上下方向に1cm変化すると,5~10%の容積測定上の変化を生じる.2)相似ファントムを同一位置で撮影すると,真容積が大きいほど容積補正率fは少さい値を示し,投影容積V'とfの間には逆相関関係(f=b-aV',a,b:定数)が認められた.これはイメージ面の球面収差の影響である.3)等比法による補正率(CF)3と容積補正率fにより得られた計算値と真容積の,それぞれの関係を比較すると,ファントムが球形に近づくに従って,(GF)3により求めた計算値は真容積に比し過少評価し,一方,fによる計算値と真容積の間にはほぼy=xの関係が認められた.左室容積測定をより正確に行うには,イメージ面の球面収差を補正する必要がある. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.12.7_685 |