臨床 心筋梗塞患者109例におけるrisk factor の検討 若年心筋梗塞患者における家族性高コレステロール血症の重要性について

心筋梗塞患者109例のrisk factorにつき検討した.1)男女比は5:1と男に多く,平均発症年齢は男57.0歳女59.3歳であった.2)特に40歳以下の男性では家族性高コレステロール血症(FHC)とcombined hyperlilpidemiaが75%を占めた.3)高コレステロール血症(240mg/dl以上)の頻度は男22.4%.女25.0%であり,FHCは6.4%に認められた.4)高トリグリセライド血症(160mg/dl以上)は男20.9%,女21.3%に認められた.5)糖尿病は37.1%に認められた.6)15本/日以上の喫煙は男では58.1%を占めたが女では1例も認めなかった.7)...

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Published in心臓 Vol. 11; no. 2; pp. 179 - 185
Main Authors 亀谷, 富夫, 多々見, 良三, 上田, 良成, 上田, 幸生, 羽場, 利博, 小泉, 順二, 伊藤, 清吾, 太田, 正之, 宮元, 進, 馬渕, 宏, 元田, 憲, 竹田, 亮祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 25.02.1979
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Summary:心筋梗塞患者109例のrisk factorにつき検討した.1)男女比は5:1と男に多く,平均発症年齢は男57.0歳女59.3歳であった.2)特に40歳以下の男性では家族性高コレステロール血症(FHC)とcombined hyperlilpidemiaが75%を占めた.3)高コレステロール血症(240mg/dl以上)の頻度は男22.4%.女25.0%であり,FHCは6.4%に認められた.4)高トリグリセライド血症(160mg/dl以上)は男20.9%,女21.3%に認められた.5)糖尿病は37.1%に認められた.6)15本/日以上の喫煙は男では58.1%を占めたが女では1例も認めなかった.7)肥満は男34.9%,女43.7%に認められた.8)高血圧の頻度は男32.6%,女62.5%であった.以上より,心筋梗塞のrisk factorは欧米に比べ高コレステロール血症の頻度は少なく高血圧の頻度は高かつた.しかし,40歳以下の若年男性では血清コレステロールの関与が非常に大きく,特にFHCはrisk factorとして重要であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.11.2_179