研究 心筋コントラストエコー法によるcoronary flow reserveの評価 ドプラーカテーテル法との比較
正常冠動脈を有する6症例において心筋コントラストエコー法を用い,心筋内灌流動態面より正常左前下行枝(LAD)領域のcoronary flow reserveを検討した. 左冠動脈に塩酸パパベリン10mgの注入前後にsonicationを施行したイオパミドール2mlを左冠動脈に注入することにより心筋コントラストエコー法を施行し,LADの灌流領域全体におけるエコー輝度のpeak intensity,disappearance half time,time-intensity curve内の面積を求めた.さらにLAD近位部にドプラーカテーテルを挿入し,塩酸パパベリン10mg注入前後の冠血流速度を測定...
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Published in | 心臓 Vol. 24; no. 3; pp. 251 - 256 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.03.1992
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Summary: | 正常冠動脈を有する6症例において心筋コントラストエコー法を用い,心筋内灌流動態面より正常左前下行枝(LAD)領域のcoronary flow reserveを検討した. 左冠動脈に塩酸パパベリン10mgの注入前後にsonicationを施行したイオパミドール2mlを左冠動脈に注入することにより心筋コントラストエコー法を施行し,LADの灌流領域全体におけるエコー輝度のpeak intensity,disappearance half time,time-intensity curve内の面積を求めた.さらにLAD近位部にドプラーカテーテルを挿入し,塩酸パパベリン10mg注入前後の冠血流速度を測定し,時間積分を施行してそのcoronary flow reserveを求めた.その結果以下の結論を得た.(1)心筋コントラストエコー法では塩酸パパベリン投与により灌流領域のエコー輝度のpeak intensityは高値となり,disappearance half timeは延長した.Time-intensity curve内の面積は増加した.(2)塩酸パパベリン投与前後におけるtime-intensity curve内の面積比は,既存のごときドプラーカテーテルにて求めた塩酸パパベリン投与によるcoronary flow reserveと有意な相関(r=0.946,p<0.01)を示した.(3)以上より心筋コントラストエコー法によってもcoronary flow reserveを判定し得ると考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.24.3_251 |