第2回 不整脈薬物治療フォーラム 発作性心房細動患者における心拍数調節の意義 脳塞栓発症との関連性から

当施設受診中の発作性心房細動(PAF)患者250例を対象に,脳塞栓予防における心房細動発作時の心拍数調節の意義を検討し,得られた結果から,どのような薬物療法が塞栓予防に適しているかについて検:討を試みた.脳塞栓発症群(26例)と非発症群(224例)で,年齢,性別,基礎疾患,内服薬などに有意差は認められなかったが,ワルファリンを服用している症例どうしの比較では,脳塞栓発症群(ll例)の方が,非発症群(70例)に比べてPT-INR値が高い傾向が認められた.そこで両群の心房細動発作H寺の心拍数を比較したところ,最大心拍数および平均心拍数は脳塞栓発症群のほうが有意に大きいことが示された。これらの知見か...

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Published in心臓 Vol. 37; no. 9; pp. 775 - 776
Main Authors 柚須, 悟, 池田, 隆徳, 石黒, 晴久, 阿部, 敦子, 米良, 尚晃, 谷合, 誠一, 中村, 健太郎, 四倉, 正之, 吉野, 秀朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.09.2005
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Summary:当施設受診中の発作性心房細動(PAF)患者250例を対象に,脳塞栓予防における心房細動発作時の心拍数調節の意義を検討し,得られた結果から,どのような薬物療法が塞栓予防に適しているかについて検:討を試みた.脳塞栓発症群(26例)と非発症群(224例)で,年齢,性別,基礎疾患,内服薬などに有意差は認められなかったが,ワルファリンを服用している症例どうしの比較では,脳塞栓発症群(ll例)の方が,非発症群(70例)に比べてPT-INR値が高い傾向が認められた.そこで両群の心房細動発作H寺の心拍数を比較したところ,最大心拍数および平均心拍数は脳塞栓発症群のほうが有意に大きいことが示された。これらの知見から,PAF発作時の心拍数と脳塞栓の発症には関連性があり,発作時の心拍数を調節することは脳塞栓の予防につながる可能性があると考えられる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.37.9_775