施設入所中に受傷した大腿骨近位部骨折に対する回復期リハの検討(第1報) 入所施設の特徴と患者転帰

施設入所中に受傷し, 回復期リハを行った大腿骨近位部骨折患者158名の入所施設の特徴と患者転帰を検討した.同時に,自宅在住の大腿骨近位部骨折患者545名と比較した.Barthel Index点数(ADL)および長谷川式知能スケール点数(認知機能)は,自宅在住にくらべ,老健,特養は低下したが,ケアハウスは低下しなかった.回復期リハ後元の施設への再入所率は,自宅(自宅退院率:78.3%)にくらべ,特養は100%で,ケアハウスは44.4%であった.それぞれの施設の,ADLが低下した患者に対する介護体制の違いが示唆された.施設全体では,再入所率は81.0%で,自宅在住の自宅退院率78.3%とほぼ同じで...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 1; pp. 33 - 38
Main Authors 西村, 博行, 浦上, 泰成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.33

Cover

More Information
Summary:施設入所中に受傷し, 回復期リハを行った大腿骨近位部骨折患者158名の入所施設の特徴と患者転帰を検討した.同時に,自宅在住の大腿骨近位部骨折患者545名と比較した.Barthel Index点数(ADL)および長谷川式知能スケール点数(認知機能)は,自宅在住にくらべ,老健,特養は低下したが,ケアハウスは低下しなかった.回復期リハ後元の施設への再入所率は,自宅(自宅退院率:78.3%)にくらべ,特養は100%で,ケアハウスは44.4%であった.それぞれの施設の,ADLが低下した患者に対する介護体制の違いが示唆された.施設全体では,再入所率は81.0%で,自宅在住の自宅退院率78.3%とほぼ同じであった.施設入所者は,自宅在住者と同程度に,元の居住地に戻るという回復期リハの目標を達成していた.入院時,退院後について家族意向を確認すると,97.5%の家族が退院後に入所を希望する施設を決めていた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.33