行政境界線をめぐる二つの秩序 20世紀前半のケニア北東部におけるソマリの場合

ケニア北東部の低地地方は全体的に気温が高く、乾燥している。この地域を支配した国家は、この「国家の介入しにくい空間」の空間統治において、行政境界線の管理に注力した。つまり、彼らは異なる牧畜民の集団間で水場や放牧地をめぐって紛争が生じるのを防ぐために、民族やクランごとにテリトリーを区切ったのである。本発表では、行政境界線が公的な秩序と流動性を主軸とする自生的な秩序が交錯する場になっていたことを論じる。...

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Published in日本文化人類学会研究大会発表要旨集 p. SA03
Main Author 楠, 和樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本文化人類学会 2024
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Summary:ケニア北東部の低地地方は全体的に気温が高く、乾燥している。この地域を支配した国家は、この「国家の介入しにくい空間」の空間統治において、行政境界線の管理に注力した。つまり、彼らは異なる牧畜民の集団間で水場や放牧地をめぐって紛争が生じるのを防ぐために、民族やクランごとにテリトリーを区切ったのである。本発表では、行政境界線が公的な秩序と流動性を主軸とする自生的な秩序が交錯する場になっていたことを論じる。
ISSN:2189-7964
DOI:10.14890/jasca.2024.0_SA03