膀胱後腔神経鞘腫の1例
症例は46歳,男性.人間ドックの直腸指診で粘膜下腫瘍を指摘され入院した. CT・MRIでは腫瘍は成人手拳大,嚢胞状で隔壁および充実性部分を伴い,精嚢・前立腺部と密に接し存在していた.経肛門的穿刺吸引細胞診はclass 1であった.以上より骨盤内良性腫瘍と診断し経腹的腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的には良性神経鞘腫であったが,原発臓器は特定できず膀胱後腔神経鞘腫と最終診断した.膀胱後腔神経鞘腫は稀な疾患で,本邦では未だ31例の報告例を数えるのみであった.本腫瘍は直腸指診上ほぼ全例が触知可能で,早期発見・早期治療の面からも直腸指診の重要性が再認識された....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 61; no. 10; pp. 2774 - 2779 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.10.2000
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.61.2774 |
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Summary: | 症例は46歳,男性.人間ドックの直腸指診で粘膜下腫瘍を指摘され入院した. CT・MRIでは腫瘍は成人手拳大,嚢胞状で隔壁および充実性部分を伴い,精嚢・前立腺部と密に接し存在していた.経肛門的穿刺吸引細胞診はclass 1であった.以上より骨盤内良性腫瘍と診断し経腹的腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的には良性神経鞘腫であったが,原発臓器は特定できず膀胱後腔神経鞘腫と最終診断した.膀胱後腔神経鞘腫は稀な疾患で,本邦では未だ31例の報告例を数えるのみであった.本腫瘍は直腸指診上ほぼ全例が触知可能で,早期発見・早期治療の面からも直腸指診の重要性が再認識された. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.61.2774 |