大腿の皮下膿瘍を形成した閉鎖孔ヘルニアの2例

大腿部に皮下膿瘍を形成した閉鎖孔ヘルニアの2症例を経験したので報告する. 症例1は85歳,女性.右大腿部の発赤,腫脹および痙痛,皮下気腫を認め,大腿骨頸部骨折の診断にて当院紹介となった.レントゲン写真にて骨折の所見はなかった.経過中イレウス症状を認め,他院にて保存的治療にて軽快していた.また,右大腿部の痔痛を認めていたことより,閉鎖孔ヘルニアの小腸嵌頓,穿孔による大腿部皮下膿瘍との診断にて,同日,緊急手術を行った.開腹所見では,回腸の閉鎖孔への嵌頓を認め,小腸部分切除を行った.また,大腿部は切開排膿ドレナージを行った.症例2は83歳,女性.イレウス症状を認め,他院にて保存的に治療を行っていたが...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 62; no. 12; pp. 3059 - 3063
Main Authors 広瀬, 敏幸, 日野, 弘之, 三木, 啓司, 六田, 暉朗, 梶川, 愛一郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.12.2001
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.62.3059

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Summary:大腿部に皮下膿瘍を形成した閉鎖孔ヘルニアの2症例を経験したので報告する. 症例1は85歳,女性.右大腿部の発赤,腫脹および痙痛,皮下気腫を認め,大腿骨頸部骨折の診断にて当院紹介となった.レントゲン写真にて骨折の所見はなかった.経過中イレウス症状を認め,他院にて保存的治療にて軽快していた.また,右大腿部の痔痛を認めていたことより,閉鎖孔ヘルニアの小腸嵌頓,穿孔による大腿部皮下膿瘍との診断にて,同日,緊急手術を行った.開腹所見では,回腸の閉鎖孔への嵌頓を認め,小腸部分切除を行った.また,大腿部は切開排膿ドレナージを行った.症例2は83歳,女性.イレウス症状を認め,他院にて保存的に治療を行っていたが,軽快しないため当院紹介.右ソケイ部より大腿にかけて腫脹および痺痛を認め,閉鎖孔ヘルニアと診断し緊急手術を行った.開腹所見では,回腸の閉鎖孔への嵌頓を認め,小腸部分切除を行った.大腿部は切開排膿ドレナージを行った.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.62.3059