壊疽性膿皮症を合併した潰瘍性大腸炎の2例

壊疽性膿皮症を合併した潰瘍性大腸炎の2例を経験したので報告する.症例1は, 37歳女性で発熱,右下腿の紅斑を主訴に受診した.同時期に下痢,下血を認め注腸,大腸内視鏡検査で潰瘍性大腸炎と診断された.紅斑は生検で壊疽性膿皮症と判明した.入院の上中心静脈栄養,プレドニゾロン,サラゾピリンの経口投与にて軽快した.症例2は, 40歳女性で, 5年前より潰瘍性大腸炎にて通院中,今回下痢,下血の悪化と,右下腿に深い潰瘍を認め入院した.潰瘍性大腸炎の再燃と壊疽性膿皮症と診断,プレドニン20mgの注腸と40mgの静注で軽快した.壊疽性膿皮症の出現が潰瘍性大腸炎の活動性と一致し,両疾患の消長,治療による反応性にも...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 10; pp. 2621 - 2624
Main Authors 宗本, 義則, 三浦, 将司, 笠原, 善郎, 浅田, 康行, 藤沢, 正清, 三井, 毅
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.1998
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.59.2621

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Summary:壊疽性膿皮症を合併した潰瘍性大腸炎の2例を経験したので報告する.症例1は, 37歳女性で発熱,右下腿の紅斑を主訴に受診した.同時期に下痢,下血を認め注腸,大腸内視鏡検査で潰瘍性大腸炎と診断された.紅斑は生検で壊疽性膿皮症と判明した.入院の上中心静脈栄養,プレドニゾロン,サラゾピリンの経口投与にて軽快した.症例2は, 40歳女性で, 5年前より潰瘍性大腸炎にて通院中,今回下痢,下血の悪化と,右下腿に深い潰瘍を認め入院した.潰瘍性大腸炎の再燃と壊疽性膿皮症と診断,プレドニン20mgの注腸と40mgの静注で軽快した.壊疽性膿皮症の出現が潰瘍性大腸炎の活動性と一致し,両疾患の消長,治療による反応性にも相関した.潰瘍性大腸炎が本来良性疾患であるため慎重な治療方法が必要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.2621