脳卒中患者に対する部分免荷トレッドミル歩行練習の実践 一症例報告
【はじめに】1990年代以降に脊髄損傷患者に対して提案されたトレッドミルと部分免荷装置を用いた歩行再建は,2004年に発行された脳卒中ガイドライン2004の「歩行障害に対するリハビリテーション」の項において,バイオフィードバックや,FESと並んで推奨されるなど,脳卒中患者に対する歩行練習としても近年注目されている.今回,歩行練習の一方法として部分免荷トレッドミル歩行練習を取り入れ,バランスおよび歩行能力に改善がみられたので報告する. 【症例】59歳,男性.<診断名>脳内出血(左視床).<障害名>右片麻痺.<現病歴>2006年1月28日自宅にて発症,救急車にて当院へ来院,入院.<経過>1月30日...
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Published in | 関東甲信越ブロック理学療法士学会 p. 8 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
2006
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Subjects | |
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ISSN | 0916-9946 2187-123X |
DOI | 10.14901/ptkanbloc.25.0.8.0 |
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Summary: | 【はじめに】1990年代以降に脊髄損傷患者に対して提案されたトレッドミルと部分免荷装置を用いた歩行再建は,2004年に発行された脳卒中ガイドライン2004の「歩行障害に対するリハビリテーション」の項において,バイオフィードバックや,FESと並んで推奨されるなど,脳卒中患者に対する歩行練習としても近年注目されている.今回,歩行練習の一方法として部分免荷トレッドミル歩行練習を取り入れ,バランスおよび歩行能力に改善がみられたので報告する. 【症例】59歳,男性.<診断名>脳内出血(左視床).<障害名>右片麻痺.<現病歴>2006年1月28日自宅にて発症,救急車にて当院へ来院,入院.<経過>1月30日より理学療法開始. 【方法】<介入>部分免荷トレッドミル歩行練習.<練習期間>発症12病日から21病日の間で,理学療法を実施した9日間.<免荷量>体重の20%~40%.<歩行速度>時速0.2~1.2マイル.<練習時間>5~15分. 【評価】<介入初期>Brunnstrom Recovery Stage:右上肢IV・手指IV・下肢II,Functional Balance Scale:5/56点,10m歩行速度:3分04秒(片手すり・弾性包帯使用,中等度介助).<最終:介入2週目>Brunnstrom Recovery Stage:右上肢IV・手指IV・下肢IV,Functional Balance Scale:17/56,10m歩行速度:1分11秒(T字杖・弾性包帯使用,近位監視). 【結果】バランス能力の改善および歩行能力の改善を認めた. 【考察】要因としては,介助歩行レベルの患者に対し通常行なう歩行練習に比べて長時間行なうことができたこと,それに伴い患側下肢への荷重機会を多く作れたことなどが挙げられる. 【まとめ】今回の症例から,急性期の脳血管障害患者に対する部分免荷トレッドミル歩行練習が,バランスや歩行能力の改善に寄与したと考えられる.今後さらにその有用性について検討していく予定である. |
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ISSN: | 0916-9946 2187-123X |
DOI: | 10.14901/ptkanbloc.25.0.8.0 |