セルフケア食の献立提示が軽度な心身不調及び健康・食習慣に及ぼす影響
近年,疲労感やイライラ感等で表される軽度な心身不調状態(軽度不調)にある人が増えている.我々は軽度不調の緩和が期待される栄養成分を一定量摂取可能な献立(7食分;一献立あたり主菜1つ,副菜1つ,汁物1つ)を作成した.健常者83名(24~76歳:男性:15名,女性:68名)を対象に,当該献立のレシピを配布し,1日1回7日間自炊してもらい(介入),介入試験開始前,開始1週間後及び1か月後に軽度不調状態,健康・食習慣に関するアンケートを実施した.軽度不調状態は職業性ストレス簡易調査票B領域(軽度不調判定項目である「活気」,「イライラ感」,「疲労感」,「身体愁訴」を含む質問票)により評価した.研究対象者...
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Published in | 農研機構研究報告 Vol. 2025; no. 22; p. 11 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
14.07.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2434-9895 2434-9909 |
DOI | 10.34503/naroj.2025.22_11 |
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Summary: | 近年,疲労感やイライラ感等で表される軽度な心身不調状態(軽度不調)にある人が増えている.我々は軽度不調の緩和が期待される栄養成分を一定量摂取可能な献立(7食分;一献立あたり主菜1つ,副菜1つ,汁物1つ)を作成した.健常者83名(24~76歳:男性:15名,女性:68名)を対象に,当該献立のレシピを配布し,1日1回7日間自炊してもらい(介入),介入試験開始前,開始1週間後及び1か月後に軽度不調状態,健康・食習慣に関するアンケートを実施した.軽度不調状態は職業性ストレス簡易調査票B領域(軽度不調判定項目である「活気」,「イライラ感」,「疲労感」,「身体愁訴」を含む質問票)により評価した.研究対象者のうち軽度不調と判定された者は54名であった.この54名において,「活気」の項目で介入前に比べて1か月後に有意な亢進,「イライラ感」で1週間後,1か月後に有意な低減が認められた.83名の全研究対象者のうち20~30代で,介入前に比べて開始1か月後に健康習慣が不良の者の割合が有意に減少し,また研究対象者全体で食事に対する意識の変化が見られた.軽度不調緩和,行動変容に献立提示法が有効である可能性が得られた. |
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ISSN: | 2434-9895 2434-9909 |
DOI: | 10.34503/naroj.2025.22_11 |